【BIM活用へ取り組み加速】共同カイテック 公開中のパーツデータをバージョンアップ | 建設通信新聞Digital

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【BIM活用へ取り組み加速】共同カイテック 公開中のパーツデータをバージョンアップ

 電力幹線システム「バスダクト」と床下配線システム「OAフロア」を手掛ける共同カイテック(東京都渋谷区、吉田建社長)は、業務へのBIMの導入を積極的に進めている。2020年3月には、バスダクトとOAフロアのBIMパーツをプラットフォームサイト「bimobject」に公開。その後の反応を踏まえて、実用的に改良した新しいBIMパーツのデータをホームページで公開した。

公開したバスダクトのBIMデータ


 新たに公開したBIMパーツは、国内向けの主力製品「E-BD型絶縁バスダクト」で、オートデスクの「Revit」とNYKシステムズの「Rebro」にそれぞれ対応したデータを提供している。バスダクト製品のBIM活用で中心的な役割を務めるバスダクト事業部営業本部EG統括課業務改革チームの清水敬太チーフは「以前のBIMパーツ公開時は、まだどのようなデータが求められているか不透明で手探り状態だったが、一定数の閲覧があり需要はあることが確認できた。また、前回のデータは作業性に多少難があったが、新たに公開したデータは直感的に編集できるものとした」と説明する。

バスダクト事業部営業本部EG統括課業務改革チームの清水チーフ(右)と中田美晴氏


 同社は18年10月、BIMについての情報収集や導入検討をするための専門チームとして「業務改革チーム」を立ち上げた。清水氏は「BIMの普及は建設業界全体の不可逆的な流れだ」と強調し、そうした認識のもと、同社もBIM活用に向けた情報収集を始めたと話す。

 はじめの1年は顧客への聞き取りが中心で、その中で使用するツールの選定などを進めた。「当時は建築系では導入が進んでいたが、設備系は取り組み状況がまちまちで、全体の統一された流れができておらず、取り組みの方向性を定めることにも苦労があった」と振り返る。
 20年に実施したバスダクトとOAフロアのBIMパーツの提供は「試験的な取り組み」としている。「設備BIMが実案件に採用されるようになるためには、建物内で使用される多様な設備のBIMパーツが出そろう必要があるが、バスダクトは単独で完結することができるので、試しに使ってもらえるのではと考えた。また、積極的な取り組みを示すことで他のメーカーへの波及効果も期待した」という。

 今後の取り組みについて、「バスダクトは設計に手間がかかるため、BIMを活用することで最適な設計を自動で導き出せるようにすることも必要だ。いずれ海外ではそうした事例が出てくるだろう。それが日本に入ってきた時に慌てることのないよう、準備を進める必要がある」と考えを示した。



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