【業界初】清水建設と日本建築センター BIMデータによる建築確認の事前協議を実施 | 建設通信新聞Digital

5月4日 土曜日

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【業界初】清水建設と日本建築センター BIMデータによる建築確認の事前協議を実施

 清水建設は、同社が設計施工を担う総合病院の建設工事を対象に、指定確認検査機関である日本建築センターの協力を得て「BIMデータによる建築確認システム」(新システム)を用いた建築確認の事前協議を実施した。新システムによる手続きの有効性を確認した。BIMのデータと法適合を判定するプログラムを用いて事前協議を行った事例は業界初という。

新システムの建築確認申請フロー


 第1号案件となったのは、清水建設が設計施工する三愛会総合病院 (埼玉県三郷市)。規模はS一部CFT造7階建て延べ約1万7200㎡。工期は2022年9月中旬まで。20年2月に設計に着手、10月から新システムによるBIMデータを活用した建築確認に取り組んでいた。

 新システムの適用に向けて、建築確認における審査手順や審査に必要なデータ、表現などを日本建築センターと協議。病院建築の法適合判定に必要なプログラムや審査に必要な情報を表示するビューワーを追加的に整備して、それらの有効性に対する“お墨付き”を得ていた。

 実際にベンダーの協力を得て、BIMデータによる構造計算や面積算定に用いる市販ソフトに事前協議に必要となる機能を付加するなど、新システムの適用に向けた環境を整備。BIMデータを活用した建築確認に向けて、着々と“下地”を整えていた。

 日本建築センターの確認を得ている建築基準法の関連情報を持つファミリ(部材の形状情報と属性情報)を用いて作成したBIMデータをクラウドを介して共有。新システムに組み込んでいる法適合判定プログラムと新たに機能を付加した市販ソフトを活用して、BIMデータによる事前協議を成功させた。

 三愛会総合病院は、07年6月に施行された改正建築基準法で設けられた「構造計算適合性判定」の対象となることから、指定構造計算適合性判定機関である東京建築検査機構に構造計算適合性判定を申請(BIMデータを共有)。新たに機能を付加した構造計算ソフトを用いて事前協議を行ったという。

 こうした一連の事前協議を経て、法適合が確認されたBIMデータから清水建設が確認申請図書(PDF)を出力・作成して本申請(電子申請)を実施。日本建築センターによる確認検査の手続きを経て、3月12日に確認済証が発行・交付された。



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