【記者座談会】内幸町の大規模再開発/地域建設業のワクチン接種 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

公式ブログ

【記者座談会】内幸町の大規模再開発/地域建設業のワクチン接種

 内幸町1丁目で計画されている大型再開発の概要が判明したね。

 地区を北・中・南に分割して、それぞれにおよそ230mの超高層ビルを建てる計画だ。総延べ床面積も約110万㎡とインパクトが大きい。

 開発対象のエリアは、日比谷公園に隣接し、みずほ銀行の内幸町本部ビルや東京電力本社ビルがある。三井不動産やNTT都市開発なども参画し、3区画計10者がまちづくりを話し合ってきた。日比谷を代表する建物といえる帝国ホテルも建て替えるそうだね。

 現在のホテルは、3代目で1970年の竣工から半世紀が経過している。象徴的な建物の建て替えが決まり、高層ビル群と合わせて将来の日比谷の街並みが変わることになる。

 ホテルが迎賓館としての役割を担っているだけに、地区の開発方針では、ビジネスや交流などの国際性を高めることを計画しているみたいだ。

 隣接する公園とも日比谷通り上空のデッキで接続される見込みだ。日比谷や有楽町は、より徒歩で散策しやすくなるかもしれない。

 公園も東京都が大規模な再生計画をまとめており、2033年の130周年を目指して園内の景観などを一変させる。野音として知られる大音楽堂の建て替えや公会堂の大規模改修などが計画に盛り込まれた。23年ごろから整備が始まり、段階的に進めて33年の完成を目指す。そのころには、内幸町の再開発も進んでいるね。

 内幸町は南地区が28年度、中地区が29年度の完成予定だ。北地区は帝国ホテルタワーを30年度までに建て替えて、ホテル本館はその後、36年度を目標に建て替える。


◆群馬は建設を優先業種に


建設業の優先接種を表明した群馬県知事の定例記者会見(16日、前橋市の県庁で)


 今週も新型コロナウイルスワクチンの職域接種に関するニュースが相次いだ。地域建設業の動きが目立ったね。

 岡山県建設業協会は、協会が主導する形で医療資源や会場、接種人数を整えた上で、会員企業関係者の職域接種を実施する。各社の社員に加え、その家族や協力会社も含める計画で、1万人を優に超える大規模な接種となる見込みだ。全国に先駆けた素早い動きだったね。

 ほかの地区では、従事者数の多い建設業界が職域接種のために相当数の医師や看護師を抱え込むと、地元地域からの反発を招くのではと、申請に尻込みしているという話しも聞く。

 その点、群馬県は行政として、建設業を日常生活の維持に欠かせない「エッセンシャルワーカー」と明確に位置付け、警察や消防、福祉、教育分野などと同様に、ワクチンを優先接種することに決めた。県知事の定例会見に、建設業協会長が同席すること自体異例だが、あのような場で知事と会長の2人が趣旨説明している姿はかなりのインパクトがあったね。

 群馬モデルは、全国的にも業界にとって画期的だったが、どんな経緯があったの。

 初めは群馬建協も中小企業の集まりであることを踏まえ、協会が主体となる職域接種を模索していたが、県と相談する中で今回の形に行き着いた。実際、全県的に医療関係者を確保することには困難がつきまとうため、結果として良い形になったと思う。ワクチン接種うんぬんにかかわらず、県から警察・消防などと同列の重要業種に定められたことの意味は非常に大きい。いたるところで「建設業はエッセンシャルワーカー」とは口では言われてきたが、どこか曖昧な部分があったからね。その点、建設業従事者は日常の立ち居振る舞いを含め、県民に誇れる仕事っぷりが一層求められる。

 全国各地で自然災害が頻発する中、災害対応業務の重要性は高まるばかり。群馬のような取り組みが広がればいいね。



建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら