【国交省 設備設計にAI導入検討】品質確保、業務効率化目指す/ 2021年内に有識者会議 | 建設通信新聞Digital

4月24日 水曜日

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【国交省 設備設計にAI導入検討】品質確保、業務効率化目指す/ 2021年内に有識者会議


 国土交通省は、官庁施設の設備設計で、AI(人工知能)の活用・導入に向けた検討に着手する。品質確保や業務効率化など設備設計業務の各段階で有効と考えられるAIの種類や導入効果をまとめる。同省は検討業務の支援事業者の公募手続きを公示しており、事業者決定後、今秋にも検討を開始する。年内に学識・実務の有識者会議を立ち上げる予定だ。


 官庁施設の設備設計は現状、職員が行っているが、長年の経験・ノウハウなど熟練の技量によるところが大きい。今後も継続して高い設計品質を担保するとともに業務の効率化を図るため、近年急速に発展しているAIの活用・導入の可能性調査に初めて乗り出す。
 検討業務では、エキスパートシステム(ルールベースシステム)や機械学習、深層学習、計算・製図などの自動化技術などのAIに関する概要、特徴、開発動向の現状を調査する。あわせて、建築や土木、製造業などでAIを使って設計、適合判定、最適化を行い、生産性の向上や品質の確保を図った事例のうち、設備設計に応用できる可能性のあるものを分析する。


 調査・分析結果をベースとして、▽基本設計(設備容量の想定、設備方式の選定、工事費概算、光熱水使用量の試算)▽実施設計(各種設計計算書の作成、機器使用の決定)▽設計の審査(法令・技術基準類への適合状況の確認、過去の不具合に基づいた留意事項の指摘)--といった設備設計の各段階ごとに導入が予想されるAIの種類、導入効果を整理する。


 対象の設備種目は、電灯設備、受変電設備、発電設備、火災報知設備、空気調和設備、衛生設備、エレベーター設備など。BIM導入が前提になると予想されるケースも含め整理する。検討に当たっては学識経験者と実務を担当する有識者が参加する検討会を設置して、調査・分析内容を具体化する。検討会は年度内に2回程度開く。



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