【日建連東北が福島県郡山市で現場見学会】日大生がシールド工法など学ぶ | 建設通信新聞Digital

5月15日 水曜日

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【日建連東北が福島県郡山市で現場見学会】日大生がシールド工法など学ぶ

 日本建設業連合会東北支部広報委員会(曽根原努委員長)は5日、福島県郡山市内でゲリラ豪雨対策の一環として整備を進めている小原田貯留管築造工事(施工=大林組・大越工業所・東洋設備工業JV、中筋真紀所長)の現場見学会を開いた。日大工学部土木工学専攻の2、3年生約20人が参加し、シールドマシンで掘り進めている貯留管の切羽などを見て回った。

 見学会は発注者である郡山市が共催。新型コロナウイルス感染症対策として参加人数を制限するとともに、現場での検温や手指消毒などを施した上で開いた。

 同大キャンパスで行った工事概要説明会の席上、同市の村上一郎上下水道事業管理者は「当市にとって雨水対策は非常に重要であり、現在市内5カ所に貯留施設をつくっている。シールド工法の現場を見学し、土木技術を学んでほしい」と呼び掛けた。

 曽根原委員長も「日ごろの授業で勉強したことと、現場技術との違いを学んでもらいたい。建設業は達成感や誇り、喜びのある仕事であり、皆さんと一緒に働けることを期待している」と語った。
 この後、学生たちは2班に分かれて現場に移動し、貯留管の発進立坑から切羽まで約940mを中筋所長らの説明を聞きながら見て回った。

 3年生の田中暁さんは「シールド内は最初涼しかったが、湿度が高く作業は大変だろうと思った。授業でシールド工は学んだが、実際の現場を見て気付くことがたくさんあった。建設業への就職を目指したい」と話した。2年生の宮田理裟さんも「現場の近くに自宅があり、どのような工事をしているのか知りたかった。想像以上にスケールが大きく、やりがいのある仕事だと思った」と感想を語った。

 小原田貯留管は「郡山市ゲリラ豪雨対策9年プラン」で位置付けられた東部幹線地区の主要施設。局地的な豪雨などによって発生する浸水被害を軽減するため、阿武隈川沿川にある小原田周辺地区の道路下に貯留管を築造し、一時的に最大約1万7570m3の雨水を貯留する。

 貯留管の長さは約1400mで、泥土圧式シールド工(仕上り内径4000mm)を採用している。現在、昼夜作業で日進16.8mの速度で発進立坑から約940m付近まで掘り進めており、9月末にも到達立坑にたどり着く予定だ。2022年9月末の完成を目指す。工事場所は同市小田原2ほか。



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