【胆振東部地震から3年】厚真ダムなど復旧本格化 北海道開発局 | 建設通信新聞Digital

4月24日 水曜日

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【胆振東部地震から3年】厚真ダムなど復旧本格化 北海道開発局

7月16日現在の厚真ダム洪水吐の状況
(北海道開発局提供)


 北海道胆振東部地震から6日で丸3年を迎えるのに合わせ、北海道開発局は各施設の復旧状況を公開した。中でも甚大な被害が発生した勇払東部地区の厚真ダムや、日高幌内川などの災害復旧、河川の恒久対策は現在も実施中で、厚真ダムは2023年度の試験湛水を目指し工事が進んでいる。 各施設の早期復旧に向けた災害査定は、被災後約1カ月で着手した。2019年2月に査定を終了させ、470カ所、約415億円の災害復旧事業が決定し、早期復旧・復興に向け工事が進められた。大規模な土砂災害に対する北海道知事の要請を踏まえ、国直轄で土砂災害対策も推進し、組織強化を図った。

 厚真ダムは、左岸の法面崩落により、洪水吐きの損壊や管理橋台の亀裂の被害を受けた。20年度から洪水吐きの復旧工事に着手し、21年度は洪水吐きと合わせ、左岸・右岸の法面復旧と土砂撤去を実施している。22年度の完了、23年度の試験湛水を目指して施工している。

 日高幌内川は、5000万m3の土砂が崩壊し約1100mの河道が閉塞した。緊急対策として砂防堰堤と水路を整備し、19年3月に緊急対策砂防整備が完成した。20年度は恒久対策として緊急対策で整備を実施。21年度は基幹砂防堰堤約7500m3の打設完了を予定している。大型連接ブロックにコンクリートを増し打ちして流下能力を高めるための約350mの水路はおおむね完成する予定だ。渓流保全工として床固工3基と帯工の施工も進める。

 このほか、チケッペ川、東和川、チカエップ川では緊急砂防工事に続き、19年度から直轄特定緊急砂防事業に着手している。チケッペ川は現在までに砂防堰堤(堤高15m、堤長約230m)の全体約7割となる9000m3の打設を完了。23年度の完成を目指している。東和川は砂防堰堤(堤高12m、堤長150m)の3900m3、チカエップ川は砂防堰堤(堤高10m、堤長170m)の4300m3の打設をそれぞれ完了している。

 農業関連では、早来地区(安平町)で被災した瑞穂ダムについて、損傷した堤頂部の復旧と貯水池内の土砂、倒木撤去を終えた。21年度は試験湛水を実施し、堤体の安全性を確認して工事の完了を迎える予定だ。



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