【東京海上グループが新本店を木造ハイブリッド超高層に】世界最大規模延べ12.5万平方㍍! | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【東京海上グループが新本店を木造ハイブリッド超高層に】世界最大規模延べ12.5万平方㍍!

 東京海上ホールディングスと東京海上日動火災保険は、東京・丸の内の東京海上日動ビル本館と新館を一体的に建て替える「新・本店ビル」のコンセプトを固めた。類例のないレベルで国産木材を利用し、世界最大規模の木造ハイブリッド構造による超高層オフィスビルを目指す。2022年10月に解体着工して順次、新築工事を進める。28年度の竣工を予定している。 新本店ビルは地下3階地上19階建て延べ約12万5000㎡、 高さ約100mの規模を計画している。

 プリツカー賞建築家のレンゾ・ピアノ氏が主宰する「Renzo Piano Building Workshop SAS」と三菱地所設計に設計業務を委託し、木材利用を始めとする多くのチャレンジングな取り組みを推進する。

 コンセプトは、東京海上グループのサステナビリティー戦略に沿ってまとめた。ビジネス・歴史・文化が共存する丸の内の街並みに調和し、日本の玄関口である東京駅と緑豊かな皇居外苑を結ぶシンボリックな場所にふさわしい、洗練された気品あるデザインを志向する。

 機能・性能面では免震構造の採用や浸水対策、非常用発電機の設置などにより、最高レベルの災害対応力を備える。エントランスホールなどに災害時の帰宅困難者の収容スペースを広く設け、地域防災にも貢献する。

 脱炭素社会に適した建築資材の木材を多用する。柱や床などの構造材を含め、世界最大規模の木造ハイブリッド超高層ビルを実現する。戦後植林され利用期を迎えた国産木材を使うことで、造林・伐採・利用・再造林のサイクルを需要者として支え、循環型社会の構築に貢献する。

 木材利用で建築時のCO2排出量を削減することに加え、高効率の設備や地域冷暖房を導入し、省エネの推進とビル使用に伴うCO2排出量の抑制に取り組む。電力は、100%再生可能エネルギーの導入を計画している。

 また、生物多様性の保全とヒートアイランド現象の緩和を目的に、屋上などを大規模に緑化する。1階フロアなどには地域の憩いの場となるパブリックスペースを設置し、都市空間の環境改善に努める。雨水の雑用水利用や水循環システムの導入などを通じて、水資源の保全にも向き合う。最高レベルの環境性能を追求し、国際的なグリーンビルディング認証プログラムLEEDの最高位プラチナ認証の取得を目指す。

 新しい働き方や多様なニーズにも対応する。本館・新館の一体建て替えにより、フレキシビリティーに富んだ広いフロア面積を確保し、多様な働き方を選択できるオフィス空間を創出する。各フロアは内階段でつなぎ、組織の垣根を越えたコミュニケーションを活発化させる。吹き抜けからの自然採光や屋内緑化、医療施設の設置も検討し、健康経営を一層推進する。

 建設地は、千代田区丸の内1-2-1の敷地1万0147㎡。前川國男が設計した1974年竣工の現本館は、歴史的価値を後世に伝えるため、有識者の協力を得ながら、記録調査と継承方法の検討を進める。

◆現在の東京海上日動ビル・本・新館は来秋解体

現本館(右)と新館(中央)



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