【岐阜城天守閣を耐震化】総工費は最大7.5億 岐阜市 | 建設通信新聞Digital

5月14日 火曜日

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【岐阜城天守閣を耐震化】総工費は最大7.5億 岐阜市

補強後の断面イメージ


 岐阜市は15日、岐阜城天守閣耐震化計画案を公表した。1956年に建設したRC造4階建ての復興天守を耐震化するため、実現可能で具体的な整備方針を示した。22年1月20日までパブリックコメントを実施し、3月までに成案化する予定。その後の実施設計や工事などの実施時期は未定としている。
 岐阜城天守閣は金華山山頂に位置しており、復興天守としては2代目となる。18年度に耐震診断を実施した結果、全階に補強が必要なことが明らかになっている。

 基本計画では、Iso値0.7を目標耐震性能とする補強方針を示した。2代目復興天守が担ってきた「城としての認知」「資料館」「展望施設」「観光施設」「金華山と一体の景観」「地域のシンボル」としての機能・役割を極力保つ。具体的には、文化的景観の構成要素としても重要な役割を担っていることから、外観の保全と4階からの眺望を保全する。内部利用も原則、現在の内観を維持する。

 構造的に合理的で内部の利用に極力支障のない補強とするため、1階から3階は各階同じ位置に補強袖壁を設置する。加えて、片持ち梁などの工法で補強する。4階は外観と眺望の保全のため、開口部に格子鉄骨を設置する。

 事業期間は5年間。2年目までに実施設計を完了し、3年目から5年目にかけて工事を行う予定。耐震工事にかかる総工事費は5億円から7億5000万円を想定している。この金額には同時期に予定している資料館改修工事費や付帯設備工事費などは含まないため、詳細な金額は実施設計段階で算出する。


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