九州地方整備局は、ゲームエンジンを使った川づくりツールの操作マニュアルを作成した。地形データをゲームエンジンによる仮想世界(メタバース)に構築し、オンラインでの計画検討や地域住民への合意形成などで役立てる。1月中にも同局のウェブサイトで公開する。 マニュアルは、ソフトウェアの使用方法の解説のほか、「DemComverter.zip(QGISのプラグインソフト)」、ゲームエンジン用テンプレートファイルなどで構成し、ダウンロードし活用できる。
DemComverterは、取得した地形データから任意の範囲を切り出してゲームエンジンやiRICで扱えるデータに変換する。地形編集や、データをBIM/CIMソフトに再変換できる。テンプレートファイルは、多自然川づくりで有用なテクスチャや植生、構造物などとなり、空間内に配置させてイメージしやすくする。植生モデルは、管内の植物調査結果を基に同局独自に作成した。
同局は、高品質な3Dモデルを比較的簡易・短時間で作成できるゲームエンジンを活用した新たなBIM/CIM技術の開発を進めている。地域住民との合意形成では、完成イメージを説明する際にパースや模型を使うのが一般的だが、今回の技術により3Dデータをアナログに戻すことなく一貫して活用しコスト削減につなげる。
技術は、2021年12月に山国川の「かわまちづくり」の合意形成で初めて活用した。今回は、これまでのノウハウの無償公開となる。今後は、同局発注業務で積極的に活用するほか、コンサルタント会社への周知を図る。
【公式ブログ】ほかの記事はこちらから
建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら