【i-Con2022③】東陽商事 i-Constructionを支える技術 グラウト流量・圧力データのDX | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【i-Con2022③】東陽商事 i-Constructionを支える技術 グラウト流量・圧力データのDX

 建設現場の生産性向上を加速するデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、東陽商事(東京都北区、壁巣敏弥代表取締役)が開発、提供する多機能グラウト流量計記録部「TSR-020-III」は、地盤改良からクラック補修まで幅広い工法のグラウト流量・圧力測定のデジタル化を可能にした。データ連携により、流量計記録部側でポンプを自動制御する業界初の機能も搭載するなど、マルチな機能で現場のDXに貢献している。

 創業50周年を迎える同社は、グラウト注入における流量・圧力データのデジタル納品を先取りするTSR-020-IIIの開発に力を入れている。従来のII型は、ポンプが送り出す流量と圧力を検出器で測定し、そこで得られる信号を記録部でチャート紙に印字していたが、III型からは本体に収納するSDカードに流量・圧力・流量積算値データをCSV方式で記録できる。

 さらに、取得したデータをインバーター付きポンプと連携させ、流量計記録部でポンプの吐出量を自動制御する機能を搭載した。ポンプ2台まで自動制御し、ワンショット注入と2液混合型注入や比例注入の自動制御を可能にする。それまで担当者が流量計を見ながらポンプを操作していたが、自動制御により作業の大幅な効率化が実現した。

 また、検出器は小口径から大口径まで取り付けられるため、クラック注入から流動化処理まで幅広い工法に対応する。エアモルタル、エアミルクの注入量を正確に記録する演算機能も搭載し、すべての定格で利用できる。流量データは薬液注入の精算根拠でもあり、記録計1つで高精度の測定をさまざまなグラウト工事で実施できる。

 筐体はさびに強いオールステンレスを採用。さらに従来に比べ20%軽量化、現場作業の負担軽減に貢献する。

 デジタル納品については、納品方法やデータの信憑性を担保する技術開発も行っており、今後増えるであろうデジタル納品に対応していくとともに、個別のオーダーにも迅速に対応し、業界のDX化に貢献していく。



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