【公民館DXで地方創生】公共建築にデジタル×PFI/小林史明デジタル副大臣 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【公民館DXで地方創生】公共建築にデジタル×PFI/小林史明デジタル副大臣

(こばやし・ふみあき)2007年上智大理工学部卒後、同年NTTドコモ入社。12年に衆院議員に初当選。第3次安倍改造内閣・第4次安倍内閣で総務大臣政務官兼内閣府大臣政務官、菅内閣で内閣府大臣補佐官などを歴任。当選4回。広島県出身、38歳。

 2021年9月に発足し、未来志向のデジタルトランスフォーメーション(DX)でデジタル社会形成の司令塔を担うデジタル庁。小林史明副大臣は、「公民館などの身近な公共建築にPFIとデジタルを掛け合わせることで、地域の魅力を高め、デジタルの利便性を感じ取れるコミュニティー拠点を全国各地につくれる可能性がある」と、“公民館DX”による地方創生の道筋を描く。デジタル田園都市国家構想の実現に向けた各種交付金を活用した具体的な戦略を構築し、デジタルを前向きに使う拠点整備を進める考え。「市場は大きいと思う。デジタルを使った魅力ある空間づくりに建設業界もチャレンジしてほしい。地元の建築家も呼び込みたい」と語る。
 既に地元の広島県福山市でも、Park-PFI(公募設置管理制度)を活用した公園整備の成功事例がある。同市は福山駅前再生の一環として、駅徒歩10分に位置する中央公園で、中国・四国地方では初めてPark-PFIを導入。民間事業者によって公園内にガーデンレストランや休憩スペースとなるあずまやなどを新たに整備した。マルシェや読み聞かせの場として使われるなど、「人の流れが生まれ、新しいライフスタイルが提案できた。確実にエリアの価値が向上したとみんなが実感している。建築の力の素晴らしさだ」と手応えを感じている。
 その空間で「オンライン予約のほか、高速ネット環境が整備されるなどデジタルを活用できれば、魅力的な場が地方にもできる。災害時にも強く、東京一極集中でもなく人口が地方に分散し強くなる」とし、全国にPark-PFIを提案していく考えだ。

 一方、新たな対象として着目するのが、全国にある公民館だ。「世代にかかわらず地域の方になじみのある空間のはずが、手続きなどがアナログで、現役世代が使いにくくなっている」と課題を挙げる。だからこそ「PFIの手法を導入して民間の知恵を生かし、デジタル化することで、全世代が使うシェアスペースに生まれ変わらせることができる」と可能性を感じている。
 この公民館DXを実現することで、例えば「オンラインで公共空間が当たり前に予約でき、スマートフォンのアプリで鍵を開けるという使い方もできる。タブレットを持った小学生が気軽に訪れ、多世代交流の拠点になり得る」と、具体的な戦略づくりに着手する考え。
 「デジタルならではのスケールメリットを生かし、ある場所で生まれたものをみんながまねできて使えるようにすることが重要だ」。目標は「東京以上に魅力的な場を地方にもつくること」と語る。「建設業界の皆さんには、公共空間のPFIにチャレンジし、デジタルを活用した素晴らしい空間を構築してほしい」とメッセージを送る。



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