【記者座談会】大豊建設が麻生グループと協業/TOKYO CROSS PARK構想 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【記者座談会】大豊建設が麻生グループと協業/TOKYO CROSS PARK構想

A インフロニア・ホールディングスによる東洋建設のTOB(株式公開買付)に続き、大豊建設が麻生を引受先とする第三者割当増資を実施すると発表した。

B 大豊建設は、村上世彰氏が関与するシティインデックスイレブンスなどが株式40%以上を保有する事態になっていた。2021年12月には村上氏がマネジメント・バイアウト(MBO)による上場廃止や上場維持する場合の純資産圧縮による自己資本当期純利益率の向上などを大豊建設に促した。この提案を同社は採用しないと決める一方、21年9月には既に麻生グループとの協業について検討を始めていた。伊藤忠商事と資本提携を結んだ西松建設と同様に、大豊建設もシティ社による株買い増しへの対処を異業種に求めた格好だ。

C これで、大手5社を除く準大手ゼネコン上位30社程度のうち、単独での企業体制を維持しているのは、長谷工コーポレーションと戸田建設、五洋建設、奥村組、東亜建設工業、淺沼組など数えるほどになった。

B 近年は、大和ハウス工業によるフジタのグループ会社化といったハウスメーカーの傘下に入る事例が相次いだ。さらに今回、アクティビストからの刺激で西松建設や大豊建設が異業種に支援を求めた。供給過剰と言われながら、建設会社同士の合従連衡は建設業では起きないと長く言われてきた。ところが、この20年で見れば、建設業界の再編は確実に進行したと言える。DXや担い手確保などのため、設備投資や賃上げといった資金力が重要になり、提携先を探らざるを得なくなったという背景も否定できないだろう。今後は提携企業とのシナジーをどう発揮するか、単独企業は持続可能性をどう見通すのか、といったところが注目されるだろう。

総延べ110万㎡の超高層ビル群建設

A 日本有数の都市公園である日比谷公園の隣接地で計画している超巨大再開発プロジェクトの全貌が明らかになったね。

B 帝国ホテル東京などが立地している都心一等地で、総延べ約110万㎡に及ぶ超高層ビル群を建設する。国家戦略特区関係の手続きなどの中で、既にその規模感は判明していたが、まさに桁違いのスケールと言えるだろう。

C 事業主体は三井不動産やNTT、東京電力ホールディングス、第一生命保険、帝国ホテルなど、日比谷・内幸町にゆかりのある10社。先週には『TOKYO CROSS PARK構想』と銘打ったプロジェクト名を発表し、「人が主役の街づくり」「街づくり×デジタル」「おもてなしが広がり、人が集う街へ」「すべての人々のwell-being」「持続可能な街・社会へ」という5つのテーマを示した。

A 最終的には、いずれも高さ約230mの超高層タワー3棟と、帝国ホテルの新本館を建設する。タワー3棟が順次完成する2030年度を第1期とし、新本館の36年度完成、37年度以降の全体完成・街びらきを目指している。

B 新本館は既に、フランス・パリの「Atelier Tsuyoshi Tane Architects」代表の建築家、田根剛氏がデザインアーキテクトを務めることが発表されていたが、今回、街区全体のマスターデザイン・プレイスメイキングストラテジーに、英国・ロンドンを拠点に活動する「PLPアーキテクチャー」を起用することなども明かされた。設計には日建設計や山下設計、NTTファシリティーズが参画する。先行地区は22年度から工事が始まるが、施工をどこが受注するか興味を集めるね。

街区と日比谷公園をつなぐ道路上空公園のイメージ



 
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