【保存修理完了】清水建設のECIで佐原三菱館 千葉県香取市 | 建設通信新聞Digital

5月12日 日曜日

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【保存修理完了】清水建設のECIで佐原三菱館 千葉県香取市

屋根やタイルを復原した外観


 千葉県香取市がECI(施工予定技術者事前協議)方式を導入して進めてきた三菱銀行佐原支店旧本館(佐原三菱館)の保存修理工事が完了した。補強部材が極力見えないように耐震補強し、将来、指定を目指す重要文化財建造物と同等の仕様で保存修理した。耐震診断・設計・監理は坂倉建築研究所、実施設計技術支援と施工は清水建設が担当した。9日に竣工式と一般公開を予定している。

 県指定有形文化財の同館(佐原イ1903-1)は、れんが造2階建て延べ76㎡。清水満之助商店(現清水建設)の設計施工で1914年に完成した。

暖炉やらせん階段、カウンターなども復原した


 東日本大震災で内外壁にクラックが入ったため耐震診断した結果、耐力不足が判明した。今回、れんが壁内にプレストレストコンクリート(PC)鋼棒を通し、2階回廊床と2階天井裏に水平の鉄骨トラスを入れて耐震補強した。

 屋外は、上屋根を銅板瓦棒ぶきに更新し、下屋根もスレートぶきに復原した。外壁のタイルや窓石も復原し、防火シャッターはオーバーホールした。屋内は天井のしっくい、壁のしっくいや腰板、開口部の木枠などを復原。暖炉やらせん階段、営業カウンターなどは、設計図や写真などをもとに竣工当時に復原した。


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