【3社の草刈り機が共演!!】急勾配除草の無人化・遠隔化技術で大規模見学会/関東整備局 | 建設通信新聞Digital

5月14日 火曜日

公式ブログ

【3社の草刈り機が共演!!】急勾配除草の無人化・遠隔化技術で大規模見学会/関東整備局

左からインダストリーネットワークの伊藤要氏、石井製作所の石井氏、ユニックの竹内氏


 関東地方整備局は1日、栃木県足利市の奥戸町防災ステーションをフィールドに「急勾配でも除草できる無人化・遠隔化技術」を試行調査した。ユニックと石井製作所、インダストリーネットワークの3社が最新の草刈り機を持ち寄り、実現場で試行した。「現場ニーズと技術シーズのマッチング」による初の大規模現場実証見学会で、事業の狙いや意義を直接感じてもらうとともに、現場の生の声を開発事業者に伝えた。

 岩崎辰志企画部建設情報・施工高度化技術調整官は「現場の課題を解決するため、民間の技術開発を後押しする必要がある。マッチングは、開発者と発注者の明るい未来をつくる投資の意味合いもある」と述べた。

あいさつする岩崎調整官

 マッチング事業で2021年度に成立した3件のシーズ提案技術を同時に試行した。同局管内の18出先事務所や国土交通省、北陸地方整備局などから約80人が参加した。3班に分かれ、各社から草刈り機の技術概要の説明を受けるとともに、実際に操作などを体験した。

実現場での試行状況を見学

 試行調査を終え、同局の「技術エキスパート制度」で河川管理部会長を務める近藤誠江戸川河川事務所副所長は「3社でいいとこ取りをして、さらなるレベルアップを図ってほしい」と期待を込めた。

 近年、河川維持を担う作業員の減少・高齢化が進んでいるが、急勾配(法勾配1:1.9未満)での堤防除草は肩掛け式による人力施工で実施している。急勾配個所の除草作業は、19年度から飛び石事故防止対策として「上下刃逆回転式機械」の使用を推奨しているが、機械重量が重く作業上の危険性が高い。従来式機械と比較して作業効率が劣るほか、堤防除草は夏場作業になるため熱中症対策が求められ、作業員の負担も大きい。

 こうした課題に対応するため、急勾配でも安全・効率的で作業員の負担を軽減する技術を求めた。今後、3件の現場実証成果を従来技術や要求水準と比較・評価し、その結果を公表する予定。活用効果が優れている技術は、標準化に向けた取り組みを進める。

 3社の代表者(敬称略)とシーズ技術名は次のとおり。
 ▽ユニック(東京都杉並区、竹内幹夫)=UNIMOWERS(傾斜地でパワフルに使えるオール電動草刈り機)▽石井製作所(山形県酒田市、石井智久)=中山間地域の急斜面での除草に向けた遠隔操作型草刈機の提案▽インダストリーネットワーク(長野県岡谷市、大橋俊夫)=KaruCraw(カルクロウ)-河川堤防除草向けカスタマイズ人とロボットの共生・協創作業。


【公式ブログ】ほかの記事はこちらから


建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら