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5月4日 土曜日

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【改良地盤の品質確保へ~新たな評価手法を構築~】戸田建設が電気検層で課題解消

 戸田建設は、岐阜大の八嶋厚工学部特任教授、地盤防災ネットワーク(村田芳信代表)、太洋基礎工業(加藤行正社長)と共同で薬液注入による地盤改良の効果を見える化する新たな評価手法「ジオレジスタ法」を開発した。沿岸部にあるプラント施設の液状化対策など薬液注入の事後調査(改良前後の評価)に使うことで、地盤改良工事における品質の確保に役立つ。 小型動的コーンの「貫入試験」と周辺地盤の電気比抵抗を測定する「電気検層」を併用して、1度の削孔で二つの試験を効率よく実施できる点が特長となる。

ジオレジスタ法による測定状況

 それぞれの試験が補完し合うことで、従来手法で評価が難しかった地盤条件であっても地盤改良の効果を適正に評価できるという。

 沿岸部の埋立地におけるフィールド試験や液状化対策工事の現地調査への適用によって、評価手法としての有効性を確認した。

 先端に電極プローブを装着したコーンを所定の深度まで貫入する。貫入ロッドを引き抜く際に電極プローブを孔壁に接触させて周辺地盤の電気比抵抗を連続的に測定(電気検層)する仕組みとなる。

 小型動的コーンから得られる地盤の状態(固さ)と電気検層によって得られる電気の流れにくさの変化から地盤改良の効果を判定。従来の試料採取による一軸圧縮試験との比較で地盤性状のばらつきによる影響が少ないというメリットを持つ。

 実際にこれまで目に見えない薬液注入による地盤改良の効果は、改良地盤から採取した試料を使った一軸圧縮試験によって評価・確認していたが、改良地盤に求められる強度が小さいことから、試料採取の乱れなど原位置試験で地盤改良の効果を正しく評価することは難しいという実態があった。そうした課題を解消する手段として、改良前後の地盤の電気比抵抗の変化に着目。電気検層を併用した新たな評価手法を構築した。



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