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【岡本太郎×建築展】衝突、共振するコラボレーション 「デッブス邸茶室」の全体像も明らかに

最終更新 | 2017/06/15 15:49

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岡本太郎と建築家たちとの「衝突と協同」を伝える展示空間

 1950年代後半から70年代にかけての高度経済成長期に、芸術家の岡本太郎が丹下健三や坂倉準三、磯崎新、アントニン・レーモンドら親交のあった建築家たちと行ったコラボレーションを紹介する展覧会「岡本太郎×建築」展が、川崎市の川崎市岡本太郎美術館で開催されている。戦後わが国が大きく飛躍していく時代に、ともに「伝統」と「創造」について議論し、時に激しく対立しながら、都市と時代を見つめることでもたらされた「衝突と協同のダイナミズム」は、狭い専門性を超えた多分野連携やオープンイノベーションが希求される現在、まさに今日的課題として浮かび上がってくる。 岡本太郎がその活動の幅を広げるきっかけをつくったのは1930年代からの知己である坂倉準三だ。建築家やデザイナーたちと活発に交流する中で次第に丹下健三との公私にわたる親交を深めていく。

岡本太郎の代表作の1つ「明日の神話」と、磯崎新がミラノ・トリエンナーレで発表した「ふたたび廃墟になったヒロシマ」ともに1968年に制作された2つのメッセージが並ぶ

 初の協同作業となった旧東京都庁舎での陶板壁画制作から、64年東京五輪の象徴であり建築家・丹下の名を一躍世界に知らしめた名作、国立屋内総合競技場(現国立代々木競技場)での色鮮やかな陶板壁画シリーズ、そして70年大阪万博における「大屋根」と「太陽の塔」へとつながっていく一連の展示は、まさに今回のハイライトと言えるものだ。
 同美術館の木下紗耶子学芸員は、自らを「前回の東京五輪も大阪万博も知らない世代」であるとした上で、2020年東京五輪に向けた施設整備がネガティブに捉えられがちな昨今の風潮にあって「この展覧会は国家的プロジェクトを担い、目標を定めて実現していくことを追体験する場ともなっている。その意義をいまの視点から見直し、改めて問い直す時期にきているのではないか」と企画の趣旨を語る。
 旧都庁の壁を飾った陶板壁画の1つ、「月の壁」の原寸大レプリカを始め、数多くの壁画の原図やエスキース、ドローイング、また制作過程の写真や各種の図面、多彩な芸術活動を記録した出版物や建築家本人が撮影した写真など、バラエティーに富んだ展示資料からは、個性も作風もまったく異なる2人が互いに影響し合い、せめぎ合う中で信頼を深めていった関係性が感じ取れる。
 現状にあらがい、NOを突きつける。惰性的に順応することを徹底して批判する。「悪い意味で日本的なものに堕落した日本もやりきれないが、近代主義もまたやりきれない感じがする」という岡本の言葉は、敗戦という大きな転換点を経験した丹下にとっても共感できるものだったのだろう。また伝統論争に代表される「日本」とは何か、「伝統」とは何かという根源的な問いも、両者に通底するものであり続けた。
 「皆がもっと奮い立って闘える場所を作り、大いに抵抗してぶつかりあう。そこでどんどんつくりだしてゆく。そういう物音、あらゆる雑音が共鳴しあった時、突如として世界が表れるのだ」という異質な存在が異質なまま並置し、ぶつかり共振することによって生み出される真の調和。それはプライベートでは長く親交のあったレイモンドとの「ただ一度」のコラボレーションである「デッブス邸茶室」の浴室構成にも見て取ることができるのかもしれない。今回の展覧会がきっかけとなって、長らく不明となっていた茶室の全体像が、新たに確認された原図や青焼図によって明らかにされたことも特筆される。
 磯崎新との関係も興味をひく。ともに68年に制作された岡本の『明日の神話』と磯崎の「ふたたび廃墟になったヒロシマ」が並置された空間は、この展覧会の「隠れたハイライト」(木下学芸員)でもある。

■展覧会図録に時代の息吹
 展覧会図録には、展示資料のカタログや大きく7つのブースからなる展示構成の解説とともに、磯崎新氏へのインタビューや坂倉、丹下、レーモンドと時代をともにした協業者ら関係者のインタビューも収録。肉声によって語られる岡本と建築家たちの交流と協同の実像からは、まさに時代の息吹が感じられる。
 さらにレーモンド、磯崎、丹下との雑誌やテレビでの座談会、対談も再録。日本からすべてを学んだというレーモンドと「日本なるもの」をめぐって鋭く対峙し、アーバンデザインに重点が移りつつあるという丹下に「全人間的な幅を持たなきゃ本当の意味でのアーバンデザインっていうものは成り立たない」と説く。こうした岡本の姿勢が文字どおり、「衝突と協同のダイナミズム」を生みだしたことを雄弁に物語っている。
 会期は7月2日まで。月曜日は休館。開館時間は午前9時30分-午後5時。

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