【苦渋作業を削減・改善】覆工コンクリ打設の配管切替装置開発 戸田建設 | 建設通信新聞Digital

5月7日 火曜日

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【苦渋作業を削減・改善】覆工コンクリ打設の配管切替装置開発 戸田建設

打設高さによるスイッチャーズの切替


 戸田建設と大栄工機(滋賀県長浜市、小林雅彦社長)は、山岳トンネルの覆工コンクリート打設の苦渋作業を改善する技術として、コンクリートの打設口を自在に切り替えるスライド型の配管切り替え装置「スイッチャーズ」を開発した。重い打設ホースの移動やセントルの検査窓の開閉といった人力作業の削減によって安全性・生産性の向上を図ることが狙い。

 山岳トンネルの覆工コンクリートは、セントルに設けられたコンクリートの打設に使う多数の検査窓(450×550mm程度)に打設ホースを設置して行う。

 打設作業はセントルの下端から順次、上側にコンクリートを打ち上げていく過程で、打設ホースを上側の検査窓に人力で移動。打設が終わった箇所の検査窓を人力で閉じていくことになるが、重い打設ホースの移動や検査窓の開閉がいわゆる苦渋作業になっている実態があった。

 スイッチャーズは、コンクリートの投入口を自動で開閉する機能を備えたスライド型の配管切り替え装置となる。打設口(口径150mm程度)を油圧で切替・開閉できることから、打設ホースの移動や検査窓を閉じるための人力作業の必要がない。

 実際に従来は人力で5分程度を要していた打設ホースを次(上段)の検査窓に配置替えするための作業を自動で約10秒程度まで短縮することで、作業効率を大幅に高められるメリットがある。

 実証試験によって技術の有効性を確認した。今後、打設高さに連動して自動で打設口が切り替わるシステムへと改良。切り替え操作に必要な人員を削減するだけでなく、自動で締め固めを行うセンサーバイブレーターを組み込むことで、締め固め作業に要する人員の削減も目指す。

 そうした取り組みによって、打設作業に要する人員を従来の3分の1程度(6人から2人)に削減。省人化によってコンクリート打設の苦渋作業の改善を狙う。


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