【川内沢ダム本体が着工 25年度末の完成目指す】 | 建設通信新聞Digital

5月19日 日曜日

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【川内沢ダム本体が着工 25年度末の完成目指す】

◆施工=西松・奥田・グリーン企画JV

 宮城県が、名取市内で整備を進める川内沢ダム建設事業の本体工事が19日、西松建設・奥田建設・グリーン企画建設JVの施工で本格着工した。2025年度下期に試験湛水を始め、同年度末までの完成を目指す。

完成イメージ(仙台地方ダム総合事務所提供)


 同ダムは県南部の名取、岩沼両市内を流れる一級河川名取川水系川内沢川の上流に築造する。治水ダムとして沿川の洪水調節のほか、既得取水の安定化と河川環境を保全する。

 重力式コンクリートダムで、堤高39.7m、堤頂長145m、堤体積5万4000m3、総貯水容量は179万m3、有効貯水容量は151万m3。県が管理するコンクリートダムとしては、12年に完成した払川ダム以来の着工となる。工事場所は名取市愛島笠島。

 現地で開かれた起工式には、県の遠藤信哉副知事や田崎和裕仙台地方ダム総合事務所長、西村明宏環境相、山田司郎名取市長、施工者側からは西松建設の一色眞人代表取締役執行役員副社長や濱崎伸介執行役員北日本支社長、奥田亮奥田建設社長、高橋正巳グリーン企画建設社長ら関係者約60人が出席した。

代表者による鍬入れ


 席上、あいさつに立った遠藤副知事は「大規模かつ長期間の工事となるが、安全を最優先に着実に推進していきたい」と語った。
 西村環境相は「名取市民や空港の中枢を洪水から守るとともに、渇水にも対応するダムとなる」とし、山田市長は「平野部に市街地を形成しており、たびたび洪水被害が発生している。治水効果に大きな期待を寄せており、早期完成を切に願っている」と述べた。

 施工者を代表して一色副社長は「プロジェクトは当社の企業理念に合致するものだ。環境・安全面に配慮しつつ、地域に誠心誠意対応しながら高品質に仕上げていきたい」と決意を表した。
 この後、代表者が鍬(くわ)入れし、工事の安全と早期完成を祈願した。

 梅津智徳作業所長(西松建設)の話 「かんがい期などは使用できる水の供給量が限られる。緻密な工程管理のほか、ダム関連工事の連絡協議会のルールを順守しながら安全第一で工事を進めていく」





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