◆19年台風被災乗り越え

　NEXCO中日本東京支社は29日、2019年の台風19号による高波で被災した神奈川県小田原市のE84西湘バイパス（BP）西湘パーキングエリア（PA）（下り）をリニューアルオープンした。PA全体の地盤高さを約2.2m、波返し擁壁を約2.4mかさ上げしたことで、相模トラフ沿いの海溝型地震により発生する津波に対応できるようにした。海側にあったトイレなどの施設は波の影響を受けにくい内陸側（本線側）に移設した。
　土木工事の設計施工は鴻池組、建築工事の設計は第一設計、施工は名工建設が担当している。

　28日の完成式でNEXCO中日本東京支社の中嶋秀和伊勢原保全・サービスセンター所長は「限られた施工ヤード内で工事が輻輳（ふくそう）し、台風の影響による不安がある中で、効率的に工事を進める必要がある難しい施工環境だった」と振り返った。小田原市の守屋輝彦市長は「より安全に、快適に利用できるようになった。観光の拠点や流通の拠点として大切にしていきたい」と話した。

　同PAは、台風により室内に水が流れ込み、建物やフェンスなどが損壊した。災害応急復旧を経て、20年7月に土木工事を開始した。
　土木、建築工事ともに、自然に調和するデザインを取り入れた。波返し擁壁の海側壁面は岩肌を模した意匠の残存化粧型枠、建築物の外壁は海岸・砂浜に溶け込むようなサンドベージュ色を採用した。

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