【日光市の砂防堰堤】ICT施工で効率的に完成 関東整備局 | 建設通信新聞Digital

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【日光市の砂防堰堤】ICT施工で効率的に完成 関東整備局

見学会には地域住民も参加


 関東地方整備局日光砂防事務所が日光市高徳地区に整備していた「中町上沢砂防堰堤」が完成した。13日に開いた見学会には地域住民34人が参加し、2015年9月の関東・東北豪雨で発生した土砂災害などの教訓から、身を守る行動の大切さについて理解を深めた。中村土建(宇都宮市)が施工した。工期は5月31日までとなっている。

 当日は、高所作業車や3D測量の体験に加え、ドローン映像とバックホウを紹介した。砂防工事としては珍しく、現場直下に住宅があり、住民の関心の高い工事となった。

 施工に当たっては、中村土建として初めて「杭ナビ」による3D測量を実施し、ICT施工を積極的に採用した。同社の田原丈司土木部主任は「最新技術を活用したからこそ、ここまできれいな現場を納めることができた。工期にも間に合い、省力化の効果もあった」と話した。

 高徳地区自治会の沼尾恵司前会長代行は「土砂災害警戒区域のため住民の不安はあった。大きな堰堤で間近にあるため安心感がある」と感謝の意を表した。

 日光砂防事務所の工藤卓也副所長は「土砂災害から国民の生命と財産を守ることが使命だ。土砂災害が発生しそうな現場を精査し、事務所一丸となってハード対策を進めている」と語った。

 工事名は「R3中町上沢砂防堰堤工事」。砂防堰堤のタイプは部分透過型(J-スリット)、堰堤高は12.5mとなる。近年繰り返し発生する流木被害を抑えるため、鋼製枠(流木止)も採用した。


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