【阪神高速リニューアル】神戸線で初床版取り替え/社会的影響最小化に挑戦/共同研究の技術活用 | 建設通信新聞Digital

5月10日 金曜日

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【阪神高速リニューアル】神戸線で初床版取り替え/社会的影響最小化に挑戦/共同研究の技術活用

 阪神高速道路会社は、19日から6月7日まで3号神戸線京橋~摩耶間の4.2㎞で通行止めを実施しながらリニューアル工事を進めている。神戸線で初めて床版を取り替える大規模更新事業となる。施工者とのコミュニケーション型共同研究で開発した技術を活用することで、社会的影響の最小化に挑戦している。

 同区間は1968年の供用後、老朽化が進行している。床版の劣化が確認されたため生田川出入り口と摩耶間の中間地点に位置する「神S360」地点の上下線と生田川出入り口付近の「神下S391」地点の下り線の2カ所でコンクリート床版を取り替える。

 床版の撤去は飛島建設が担当した。通行止め期間の前から橋桁と床版を接続するコンクリートをウオータージェット工法により切断しておくことで、通行止め期間の短縮に貢献している。

鹿島の施工区間での床版撤去後のスタッド除去


 床版架設のうち、鹿島の施工区間の「神S360」では平板型UFC(超高強度繊維補強コンクリート)床版を活用する。UFC床版は、これまで15号堺線玉出入口と12号守口線南森町付近の床版更新工事などで実績がある。

 通常の更新用プレストレスト・コンクリート(PC)床版と比べ30%以上の軽量化、既設RC床版と比べ17%の薄肉化を実現した。工期短縮のために床版1枚の橋軸方向の奥行きを従来の1.7mから2.3mに大型化したほか、リブ付きメスコーンの採用による緊張時間の短縮、目地幅の拡大による横目地充填(じゅうてん)時間の短縮も図っている。

清水建設の施工区間での床版架設


 清水建設の施工区間の「神下S391」ではHSPJ(ハイ・スマート・プレストレス・ジョイント)工法を活用。21年度に管理用通路の中島排出路で試験施工した実績がある。

 同工法はプレキャスト床版に埋め込んだ継ぎ手・HSPJを接合することで、プレストレスを導入するもの。オス、メスボルトの継ぎ手を接合すれば緊張は必要なくなる。最小180mmまで床版を薄肉化できるほか、接合部の止水性確保と疲労耐久性向上に効果がある。

 このほか、舗装の全面打ち換えと伸縮継ぎ手補修、ジョイントレス化などを実施する。施工は、舗装が鹿島道路、伸縮継ぎ手補修とジョイントレスは2工区に分かれており、スバル興業とキンキ道路が担当する。

 

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