「都市への新しい視点をアニメーションから」をコンセプトに、17日から11月19日まで金沢市の谷口吉郎・吉生記念金沢建築館で「アニメ背景美術に描かれた都市」展が開かれる。展示されるのはアニメ映画『AKIRA』『メトロポリス』『鉄コン筋クリート』など6作品の精緻に描き込まれた手書きの背景美術、参照された書籍、ロケハン写真、クリエーターへのインタビューほか。監修は、建築史家の五十嵐太郎東北大大学院教授。
谷口吉郎・吉生記念金沢建築館は、建築家・谷口吉郎の住居跡地に、息子の谷口吉生氏の設計で2019年に建築された金沢市立の建築ミュージアムだ。
「アニメ背景美術に描かれた都市」展は、同館主催で7回目の企画展となる。展示する作品は、『AKIRA』(1988年/監督・大友克洋/美術監督・水谷利春)、『機動警察パトレイバー劇場版』(89年/監督・押井守/美術監督・小倉宏昌)、『機動警察パトレイバー2 the Movie』(93年/監督・押井守/美術監督・小倉宏昌)、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(95年/監督・押井守/美術監督・小倉宏昌)、『メトロポリス』(2001年/監督・りんたろう/美術監督・草森秀一)、『鉄コン筋クリート』(06年/監督・マイケル・アリアス/美術監督・木村真二)。
展覧会の概要によると、全てをゼロからつくり上げるアニメは、背景の都市や建築、室内のディテールまで意図的に描かれ、独自の世界観を構築しているとし、手書きの背景美術などアニメに関する資料の展示に加えて、建築家による未来都市構想も紹介する。
この展覧会は、アニメ研究者のシュテファン・リーケレス氏のキュレーションとメディア芸術領域のアーカイブ研究者の明貫紘子氏の調査で実現した海外の二つの巡回展がベース。国内初となる。監修の五十嵐氏は都市の側面から企画構成した。
時間は午前9時30分から午後5時まで。観覧料は一般800円。
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