【記者座談会】建設RXコンソーシアムが新体制/いよいよ今年も夏本番 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【記者座談会】建設RXコンソーシアムが新体制/いよいよ今年も夏本番

◆新会長に村上氏就任、大成建設が加入

A 建設RXコンソーシアムの体制が変わったね。

B 幹事会社には竹中工務店、清水建設、鹿島と、新たに大林組と大成建設が選ばれ、会長には前副会長の村上陸太竹中工務店常務執行役員が就任した。また、大成建設が加入し、大手5社がそろった。伊藤仁前会長らの尽力により、会員数も2021年9月の設立時の16社から213社まで増えており、開発などに弾みがつきそうだ。

C 大成建設の加入の経緯はどうだったのかな。

B 同社もロボット関係の技術開発に取り組み、日本建設業連合会の建築ロボット専門部会でも活動してきた。今回、日建連が建設RXコンソーシアムを含めて、外部の団体と協力しつつ取り組みを加速していくという姿勢を示したとして、この機会に加入することを決めたそうだ。

A 今後の取り組みはどうなるのだろう。

B 村上新会長は、開発とともに会員各社への水平展開にも力を入れる方針を示した。また、9月にエキシビションの開催を予定し、積極的な情報発信にも注力するそうだ。

C 確か、昨年末に開かれた第2回建設DX展に出展した際のパネルディスカッションが好評だったね。

B 当日は来場者が1000人を超え、伊藤前会長も、それだけ社会から期待されていることを感じたそうだ。村上新会長もデジタル技術などを使い、業界全体で取り組んでいるということを発信し、業界の魅力向上につなげる考えを示した。

A 建設施工ロボット・IoT(モノのインターネット)分野での技術連携を通じて、生産性や安全性の向上につながるとともに、建設業界の将来を担ってくれる次世代の人たちに魅力が伝わればいいね。これからが楽しみだ。

握手を交わす村上新会長(左)と伊藤前会長。技術連携を通じた生産性や安全性向上、さらには将来の担い手確保に期待がかかる

夏季の現場閉所促進で健康維持

D ところで、もう7月だね。民間気象情報会社のウェザーニューズによると、今夏7月から9月の気温は全国的に平年より高く、暑い夏になりそうだ。

A ここ数年の猛暑には恐怖すら覚えるが、われわれは外での取材以外は基本的に建物の中の快適な環境にいる。エアコンもない炎天下の現場で働く人々には本当に頭の下がる思いだ。

D 現場では、さまざまな熱中症対策を講じているが、十分とは言えない。厚生労働省がまとめた2022年の職場での熱中症による死傷災害発生状況によると、建設業は、死傷者数が前年より49人増えて179人、死亡者数は3人増の14人だった。建設業での死傷者数は主要8業種の中で最も多く、全体の2割超を占める。死亡者数も建設業が最多で、全体の5割近くとなっている。まさに、災害級の猛暑であり、改めて対策の徹底が急がれるね。

C 日本建設業連合会は、今年から7-9月を「夏季4週8閉所推進強化活動」の対象期間に指定した。現場の閉所は時間外労働の上限規制への対応も含め、働き方改革の観点からこれまでも業界を挙げて推進してきた。今回の活動は現場で働く社員や技能者の健康を考え、特に夏場の閉所を促進しようという運動だ。しっかり休んで英気を養うことは、熱中症対策としても効果があるだろう。

A 建設業でも賃上げの動きが進展しているが、隅々まで行き渡るには課題が山積している。こんな過酷な条件で働く人々の給与水準がこのままでいいはずはない。この季節に改めて処遇改善の大切さを考えてほしいね。

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