【動画ニュース・自走式索道試作機を初公開】Zip社 | 建設通信新聞Digital

5月1日 水曜日

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【動画ニュース・自走式索道試作機を初公開】Zip社

 

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◆25年度に第一路線導入
 Zip Infrastructure(ジップ・インフラストラクチャー、神奈川県秦野市、須知高匡社長)は10日、自走式の都市型ロープウエー「Zippar」(ジッパー)の最新の試作機を報道機関に初公開した。黒岩祐治神奈川県知事や高橋昌和秦野市長らが視察に訪れ、試乗した上で今後の事業展開などについて意見を交わした。既に地方自治体や民間企業から多くの引き合いがあるという。2025年度の国内第一路線の営業開始を目指す。

試作機を前に(左から)高橋市長、須知社長、黒岩知事


 Zipparはロープウエーや電気自動車、モノレールなど既存のモビリティー技術を組み合わせた交通システムとなる。低コストや自動運転、自由設計、快適・安心走行などが売り。渋滞などの都市部の交通課題を解決するポテンシャルを秘める。12人乗りで最高速度は時速36㎞を予定する。最大輸送能力は1時間当たり3600人と試算する。

 直線はロープ、カーブは軽量レールを採用する。支柱スパンはカーブ部はモノレールなどと同じ約20mだが、直線部は最長約300mを飛ばせるという。
 公開したのは、「実用化の一歩手前」(須知社長)とする試作機となる。秦野市の同社工場内に設置した実証試験線で実際に走行した。試験線は最終的に延長330m(ロープ部150m、最小半径20m)となり、フルスケール車両で索道、軌道部の連続走行試験などを重ねる。

 黒岩知事は、試乗や意見交換を終え「乗り心地は静か。試乗してみて、すごいテクノロジーだと感じた」と述べた。特に鉄道と比較して建設コスト・期間が10分の1に抑えられる点について「画期的」と評価した。

 自治体や企業向けのお披露目会を8月2日に開く予定だ。同社担当者は「関心があれば問い合わせてほしい」と呼び掛ける。一般公開については今後検討する。

 導入のための事業開発から試験運行までを一括で受託する事業モデルを描く。22年度は秦野市と沖縄県うるま市から導入調査を受注した。また、現段階で国内外6件の導入検討案件があるほか、32件の引き合いがあるという。

 国内第一路線は、上野動物園の休止中モノレールを代替する新たな乗り物や同社が調査・提案した秦野市の戸川公園路線(秦野丹沢SA~大倉・戸川公園)を候補とする。
 自走式ロープウエーの構想は、18年度に県主催の「かながわ学生ビジネスプランコンテスト」で知事賞を受賞している。



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