【動画ニュース】「芳賀宇都宮LRT」開業、全線新設は国内初  | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【動画ニュース】「芳賀宇都宮LRT」開業、全線新設は国内初 

 

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◆構想30年、684億投入/地域交通のモデルに

 全線新設は国内初、路面電車としては75年ぶりとなる大型事業「芳賀宇都宮LRT」が26日に開業した。車両の愛称は「ライトライン」。構想から30年、宇都宮市と芳賀町などが総事業費684億円を投じ、宇都宮駅東口から清原工業団地、芳賀・高根沢工業団地までの約14.6㎞をつないだ。市が推奨する、どこでも移動しやすく、暮らしやすい便利なまち「ネットワーク型コンパクトシティ(NCC)」の発展に向けた重要な第一歩となり、斉藤鉄夫国土交通相は「地域公共交通のモデルになる」と期待を込めるなど、全国の地域交通の在り方に一石を投じることが期待される。

 当日は、ライトキューブ宇都宮で開業式、駅東口で発車式が開かれた。
 佐藤栄一宇都宮市長は「LRT(次世代型路面電車)を最大限に活用し、全国の地方都市のモデルとなるよう、50年、100年先も持続的に発展するまちづくりに全力で取り組む」とあいさつした。

 大関一雄芳賀町長は「事業は交通環境の改善をはじめ、広域的な教育や医療環境の充実など将来のまちづくりに大きく寄与する。持続可能で住みやすいまちに向けて大きく前進した」と述べた。
 宇都宮ライトレールの高井徹社長は「東西の基幹公共交通として、地域に愛され、信頼される存在となり、新しいライフスタイルや都市活動の新しいステージへまっすぐに進みたい」と語った。

 来賓として出席した国土交通省の古川康政務官は「都市の骨格となる公共交通軸の一つとして、全国でのLRT整備を引き続き支援したい」と述べ、今年で誕生150年を迎える栃木県の福田富一知事は「事業のスタートはこれから。地域課題解決のけん引役となることを期待する」と話した。
 発車式では、テープカット後、地元の高校によるパレードが行われた。

関係者によるテープカット


 愛称の「ライトライン」には、雷が地域に多くの恵みを与え、「雷都」として発展してきたように、地域へ活力や豊かさを与える未来への光の道筋となるような願いを込めた。運行に必要な電力は全て地域の再生可能エネルギーで供給し、「ゼロカーボントランスポート」を実現する。

 5カ所の主要乗り場に設ける乗り換え施設(トランジットセンター)では、LRTやバス、地域内交通、自転車などさまざまな交通手段からの乗り換えに対応する。19カ所の停留所は全てバリアフリーで、横断歩道のある交差点に配置しており、より利用しやすくなるよう近くに駐輪場を設ける。

 区間としては、今回開業した駅東側だけでなく、西側での事業化も検討している。大谷観光地付近までを「検討区間」、宇都宮駅東口停留場~宝木町1丁目・駒生1丁目付近(教育会館付近)までを着実に整備を進める「整備区間」に位置付け、2030年代前半の開業を目指す。

 市は、大谷などの観光拠点や、 清原工業団地など産業が集積する特徴的な拠点を、LRTやバスなど公共交通でつなげた 「ネットワーク型コンパクトシティ(NCC)」を土台に、人やデジタルを原動力として発展する 「スーパースマートシティ」を目指している。



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