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【建設DX】工業高校の生徒が橋梁VR体験/九州整備局


 
 九州地方整備局九州技術事務所は9月29日、福岡県久留米市の同事務所で、大分工業高等専門学校都市・環境工学科3年の生徒40人を対象にした「インフラDX(デジタルトランスフォーメーション)関連施設見学会」を開いた。橋梁実モデルなどの体験型土木構造物を使ってインフラの維持管理を学んだほか、橋梁メンテナンスVR(仮想現実)などを体験した。VRを初めて使った生徒からは「すごく面白い」「このまま歩き回りたい」といった声が上がった。
 インフラの維持管理の重要性とDXなどの新しい技術の学習を通して、誇りを持てる職業として地域のインフラを担う「未来の技術者」を育成するため、土木建設関係を志す生徒を対象に見学会を開いている。
 同校の生徒は、6割が建設企業やコンサルタント、自治体などに就職し、残る4割も専門を極めるために進学を希望するなど、建設業に対する関心が高い。同校は、土木の基礎理論を学んだ生徒たちが実習や新技術の体験を通して、今後学ぶ専門分野への橋渡しになると期待している。
 当日は、同事務所敷地内の橋梁と堤防の実モデルで損傷事例や調査方法、維持管理の取り組みを学んだ。グラウンドではバックホウを使った無人化施工も体験した。
 DX関連では、鋼橋の主要な損傷のメカニズムを再現した橋梁メンテナンスVRで橋梁の維持管理を疑似体験した。パソコン画面やヘッドマウントディスプレーを使い、仮想空間上の鋼橋の腐食や亀裂、ゆるみ・脱落といった損傷を制限時間内に探す点検シミュレーターコンテンツなどに挑戦した。
 見学会に参加した安部琴実さんは「実物とVRの両方から学びがあり、VRは実際の構造物と比べて損傷具合やどのように補修すべきかが理解しやすかった」と感想を述べた。身の回りの交通渋滞や宗麟大橋の開通をきっかけに土木に興味を持ったという安部さんは「橋をはじめとしたインフラ構造物をつくって人々の生活の助けになるような仕事をしたい」と語った。
 

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