OpenSpaceは、撮影した360度画像を平面図に自動マッピングし、現場や施設を簡単にストリートビュー化する。販売からわずか6年余りで世界93カ国に普及した。コロナ禍を背景に、現場への入場制限強化が需要を後押しした。
日本では海外工事で先行導入した大手・準大手ゼネコンを中心に、国内工事で試行導入する動きもあり、2021年末の日本法人発足時には既に100件超の導入実績があった。この2年余りで早くも1300件超に急拡大した。
撮影した360度画像データと平面図面データをアップロードするだけで2~3時間後にはストリートビュー化が完了する。鳥谷氏は「学習機能の搭載によって処理時間は最短15分程に短縮でき、手軽に現場管理に取り組むことができる」と説明する。
現在7人体制の日本法人ではユーザーの意見を開発に反映することを重視しており、新機能に日本の要望が反映されることも多い。直近の機能追加では静止画とコメントを付与できるフィールドノート機能について、現況と改善後を比較検証できるように拡充した。11月からはBIM/CIMモデルとストリートビューを比較できる新モジュール「BIM+」も追加する。
現在は建築工事への導入が先行するが、今後はBIM/CIM原則化を背景に「土木での活用が一気に進む」と考えている。NEXCO東日本では50現場を対象にOpenSpaceなど複数の現場管理ツールの試行検証を進めており、「これが試金石になる」と期待している。国土交通省ではリアルタイムに検査する遠隔臨場に取り組んでおり、そうした動画データを連携できる点も強みだ。
島谷氏は「海外では現場のエビデンスをできるだけ残す必要性から活用が広がり、その動きが日本にも広がる」と見通す。OpenSpaceは「現場管理の仕方を変えるきっかけになり、働き方改革のツールとしても貢献できる」と強調する。
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