【BIM/CIM原則化元年⑫】JR東日本建設工事部 JRE-BIMガイドラインの改訂 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【BIM/CIM原則化元年⑫】JR東日本建設工事部 JRE-BIMガイドラインの改訂

点群データで工事写真を管理

中村氏(左)と石田氏

 JR東日本建設工事部は、JRE-BIMガイドラインを10月に改訂した。これまで本編と付属編で分類していた項目を、共通編、発注編、設計編、施工編に再構築し、実務を踏まえて記載内容を改訂した。点群データを用いた検査や3次元点群クラウド『TRANCITY』を活用した工事写真の試行を踏まえ、施工編に「地上型レーザスキャナを用いた構造物計測の手引き」「写真測量技術を活用した工事写真撮影の手引き(動画撮影型)」の2項目を追加した。現場で行っていた計測を点群データ上で行い、帳票作成を不要にする新たな業務手順を記載することで、運用拡大につなげる方針だ。

 地上型レーザースキャナを用いた構造物計測の手引きは、構造物完成後に地上レーザースキャナで点群データを取得し、その点群データ上で計測したホーム有効長や幅員などの値を各種検査の計測値として記載する方法を定めた。竣工確認や社内検査に活用するほか、東京建設PMOは運輸局の完成検査にも適用している。従来に比べ、検査の度に現地で計測する手間や帳票作成を不要にし、大幅な省力化を実現した。

点群データによる計測


 写真測量技術を活用した工事写真撮影の手引きは、現場で撮影した動画から点群モデルを生成し、位置情報や寸法などが付与された3次元データを従来の工事写真に代替する方式をルール化した。撮影から報告の労力を抜本的に削減するとともに、施工後も工事写真を活用しやすくした。

 従来の工事写真の課題として、詳細な撮影個所が分からないことや、スケールの当てられたところしか寸法がわからないことを挙げる。施工者も撮影と写真整理の手間が多い。TRANCITYは、動画をクラウドにアップすれば点群を電子地図上に自動生成し、静止画も撮影位置に配置する。BIMや点群データも重ねて表示できるほか、データを時系列で表示して管理することも可能だ。3次元ウォークを実装するなど機能拡張を進めている。

 建設工事部基盤戦略ユニット(技術戦略・DX)の中村瑞穂副長は「これまで点群を活用した業務方式に取り組んできたが、ガイドラインに掲載することで全社展開する準備が整った」と意義を語る。

工事写真の活用



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