住民や仲間のために会員一丸/石川建協3昼夜態勢で道路啓開 | 建設通信新聞Digital

5月13日 月曜日

能登半島地震リポート

住民や仲間のために会員一丸/石川建協3昼夜態勢で道路啓開

 石川県建設業協会は、「令和6年能登半島地震」の発生当初から県道の道路啓開に尽力している。被害が比較的小さい加賀地方の会員がその中心で、支援を待つ住民や能登地方の仲間(会員)のために、寝食を自前確保しながら、1班3昼夜の交替制で作業を続けている。地域を守るという矜持(きょうじ)や使命感は、消防や自衛隊などに勝るとも劣らない。
 石川建協は、石川県との災害協定に基づいて、発災翌日の2日から県道の道路啓開に着手している。
 七尾鹿島、鳳輪、珠洲、羽咋の4地区が大きな被害を受けたことから、それ以外の金沢、加賀江沼、小松能美、白山野々市、河北の5地区の会員を中心に活動する。作業期間は1班当たり3日(昼夜間作業)を原則とし、後続班に引き継ぐ態勢を組んでいる。
 過酷な環境下にもかかわらず、作業従事者は「被災者に迷惑をかけられない」との思いから、食料や飲料水、燃料などを持参し、車中泊で対応。寝袋を用意して県金沢港湾事務所で休息するケースもあるという。
 13日までに延べ108班97社が従事した。能都穴水線や珠洲穴水線、与呂見藤波線、滝又三井線などの道路啓開に当たっている。14日以降も一定数の班を確保しながら、活動を継続する方針だ。ただ、道路修繕に必要な砕石が不足傾向にあるとみられる。
 石川建協は北陸地方整備局からの要請を受けて、七尾市中島町河内地区でも道路啓開を展開。孤立集落の解消に貢献している。
 協会幹部は、「交通が確保されなければ、(救命・救助に向けた)緊急車両が通ることができず、支援物資も届かない」とし、災害対応の根底を建設業が支えていることを強調。その上で「県民総被災者の状況だが、今後も実直に責務を果たしていきたい」としている。

■新潟建協会員は8号復旧に尽力
 また、新潟県建設業協会の会員は、土砂崩落で通行止めとなっている上越市茶屋ヶ原の国道8号の復旧工事に尽力している。北陸整備局との維持管理契約に基づくもので、西田建設と上越商会、笠原建設が担当している。
 富山県建設業協会は、被災した県道の補修などを行うとともに、石川県に排水ポンプ車や照明車、給水車を派遣した。

【2024年1月15日付紙面掲載】