【記者座談会】全建会長に今井東建会長が内定/三井不が築地地区まちづくり発表 | 建設通信新聞Digital

5月21日 火曜日

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【記者座談会】全建会長に今井東建会長が内定/三井不が築地地区まちづくり発表

◇バランス感覚に富む、新会長に期待

A 全国建設業協会の次期会長に、戸田建設代表取締役会長で東京建設業協会の会長でもある今井雅則氏が就任することが内定した。

B 奥村太加典現会長(奥村組社長)の後を受ける。奥村会長はコロナ禍のただ中だった2020年に就任し、2期4年会長を務めた。担い手不足だけでなく資材価格の高騰も進み、かじ取りは決して楽ではなかった。そのような中でも日本建設業連合会や全国中小建設業協会、建設産業専門団体連合会と連携して国土交通省など発注者側に対し建設業の置かれた厳しい現状を説明し、積極的な対応を求めた。また、業界一体で全国展開する「目指せ!建設現場土日一斉閉所」運動を立案するなど、働き方改革をけん引したことなどは特筆に値すると思う。

A 具体的な方針はまだこれからとして、今井次期会長はどんなことに取り組みたいのだろう。

C 4月24日に東建の理事会が開かれ、席上、今井氏は同協会の会長退任を表明した。その後の会見で「建設業自体の社会的な認知度向上はまだまだ。必ずや次期会長は成果を上げてくれると思っている」と話していた。また東建は今年度から都内全域で土日一斉閉所運動を推進することになり、このことについて「存続をかけた行動が求められる」とメッセージを送っていた。

A 人柄は?

C 大阪出身ということもあり、気さくに話をしてくれるイメージがある。記者会見の時も、できるだけ自分の言葉で話をしようとする印象を受けた。ざっくばらんで、バランス感覚に富むという点で、奥村会長と共通するものがあるかもしれないね。今後の手腕に期待したいところだ。

◇空飛ぶクルマ、舟運でわくわくする開発に

A ところで、東京都が募集していた「築地地区まちづくり事業」の事業予定者に三井不動産グループが選定され、三井不が提案内容を発表したね。

築地地区まちづくり事業の提案内容を発表した山口社長、植田社長、トヨタ不動産の山村知秀社長(左から)。山口社長は読売ジャイアンツの本拠地移転を否定した


D 中央区の築地市場跡地19万4679㎡という都内では希少な大規模事業用地での超大規模プロジェクトということで、事業者募集のころから社会的な注目を浴びていた。三井不グループは総延べ117万㎡という期待に違わぬ超ビッグプロジェクトを提案した。ゼネコンも大手4社が建設担当に参加し、総力を挙げて取り組むことになる。

E 三井不の植田俊社長は、築地の歴史性を踏まえること、都民に愛される開発にすること、世界から人が集まり日本の国際競争力強化につなげること、先進的な環境共生のまちにすることを何度も強調していた。

D やはり会見で話題になったのは、プロ野球球団の読売巨人軍が東京ドームから築地に本拠地を移転するのではないかという点だった。でも読売新聞グループの山口寿一社長が「本拠地移転を前提とした計画ではない」とくぎを刺したのは報道でも取り上げられた。新スタジアムは、野球専用ではなく、さまざまなスポーツやイベントに使用できるよう可変型にすることを考えれば、一つの球団がシーズン通して使用することはやはり難しいかもしれない。東京ドーム自体も三井不としては大規模リニューアル投資を回収するまで建て替えは難しいだろうしね。ただ、スタジアムの竣工は32年度。山口社長も「現時点では」と言っていたので、何が起きるか分からない。

E あと人工芝だから、サッカーの公式戦で使うのは難しいような気がする。可変性の高さによって逆に使い勝手が悪くならないか不安だが、舟運拠点や空飛ぶクルマのポートも整備されるし、40年代には地下鉄新線の新駅ともつながる。わくわくするような開発になるという印象は強く受けたよ。

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