長崎大学は25日、「長崎大学キャンパス再編構想学長試案」を発表した。片淵キャンパス(長崎市片淵4)の経済学部を文教キャンパス(同文教町)に移転して新校舎を整備するほか、図書館や大学の歴史を表すミュージアムの整備、老朽施設の建て替えなど、現時点での考え方をまとめた。民間資金を活用した施設整備に向けたサウンディング調査を、早ければ8月に開始し、民間事業者との対話結果を踏まえ、2024年度内に移転の可否などを含めた方針決定を目指す。
学長試案によると、坂本キャンパスを生命医科学、文教キャンパスを総合生産科学と人文社会科学の拠点とするため、薬学部を坂本キャンパスに、経済学部を文教キャンパスにそれぞれ移転し、キャンパス機能を整理する。これに合わせてキャンパスを再整備し、十分な教育研究スペースの確保、学生・教職員にとって魅力ある空間を充実させる。
新校舎は、文教キャンパス南側の空地に建設する。駐車場やICT基盤センターがある場所で、道路に面するなどの利点がある。敷地面積は約6000㎡。経済、情報データ科学、多文化社会の3学部が入ることを想定している。現在の学生と教職員は3学部合わせて約2300人。現有施設の面積は総延べ1万6000㎡程度。
サウンディング調査では、新校舎の整備に加え、産学連携ラボやコワーキングスペース、研究者向けレジデンスなどの産学共創教育の拠点形成、生涯学習施設やカフェ、子育て支援機能などの環境整備に向けて、民間活力の導入に関する提案を求める。図書館やミュージアムの整備は任意提案とする。募集期間は2-3カ月を想定し、提案内容を基に個別対話する。
経済学部については、23年7月に文教キャンパスに移転する方針を発表した。その後、同年10月に就任した永安武学長が移転の可否をゼロベースで検討すると表明。若手教員を中心とするワーキンググループを今年4月に設置し、6月までに再編構想学長試案をまとめた。