宮内庁は2日、WTO対象となる「京都御所紫宸殿(ししんでん)素屋根設置その他工事」の一般競争入札を公告した。参加申請は9月11日まで京都事務所庶務課会計係に持参か郵送で受け付け、2025年1月10日に開札する。
参加資格は単体か2、3社JV。単体とJVの代表者は、「建築一式」の総合審査数値が1200点以上。09年度以降に文化財や世界文化遺産などの歴史的木造建築物で重量S造の素屋根を設置した実績。
工事では、京都御所紫宸殿の檜皮(ひわだ)ぶき屋根をふき替えるため、重量S造の素屋根を設置する。素屋根はスライド方式となる。紫宸殿と小御所をつなぐ露台と十八階段の取りほどきを実施する。紫宸殿の規模は木造平屋建て685㎡。素屋根の規模はS造平屋建て2824㎡。工期は27年3月19日まで。工事場所は京都市上京区京都御苑。
京都御所紫宸殿は、1854年に消失後、翌55年に再建された。再建後、4回屋根をふき替えたが、1990年に実施した最後のふき替えから30年以上が経過している。耐震性も不足しているため、ふき替えと耐震補強を含めた全体整備を進める。
工事期間は2024年度から9年間を予定しており、素屋根設置工事に3年、屋根ふき替えと耐震補強工事に4年、素屋根撤去に2年を見込んでいる。