◇教訓踏まえ防災庁の在り方検討へ
A 阪神・淡路大震災の発生から17日で30年の節目を迎えた。
B 兵庫県内の各地でこの日開催された追悼式典を取材したけど、復興を支えた世代の高齢化と震災を経験していない世代の増加を感じたよ。
C 阪神・淡路大震災後も大規模災害が全国で発生している。震災を風化させず、世代や地域を越えて経験と教訓をつないでいくことが大事だ。
A 24日には石破内閣で初の通常国会が始まる。防災関連で政府は災害対策基本法改正案を提出予定と聞いているけど、ポイントは。
D 災害対応の司令塔を担う次官級ポストの防災監を創設する。国の応援体制を強化する措置などを盛り込む。
A 防災に力を入れる石破内閣は、2026年度の防災庁設置、さらには省への格上げを目指しているよね。
B 阪神・淡路大震災の教訓も踏まえながら、政府として強化すべき防災施策の方向性や、防災庁に必要な組織体制の在り方を議論する有識者会議を立ち上げ、今月中にも初会合を開く。
C 内閣府の防災部門が防災庁の母体になる見込み。政府は手始めとして、内閣府の防災部門に所属する職員の定員を現行の110人から25年度には220人に倍増させるとともに、都道府県ごとに地域防災力強化担当の職員を新たに配置する。
A 防災庁を巡っては、関西広域連合などが地方への拠点設置を政府に求めている。
C 石破茂首相は17日の会見で、国会対応などの観点から東京に置かなければならない部局があるとしつつ、分局制にするかを含めて設置場所を議論し、早急に結論を出す方針を示した。建設業界の災害対応にも影響する話だから、今後の議論に注目だ。
◇BIM権利保護と鉄骨製作図の承認遅延解消
A 話は変わるけど、日本空調衛生工事業協会がBIM実装社会に向けての提言をまとめたね。
D 権利保護と業務報酬がポイントだ。設計段階でBIM作成に携わった空衛設備工事会社にもBIMデータの著作権があると主張し、施工ノウハウの権利保護目的でBIMデータ作成前に覚書を交わす必要性を示した。設計業務量に応じて適正な業務報酬を得られるように、業務請負契約の締結も必要としている。
E 建築物によっては、BIMの設計作業量が2次元の設計図作成に要する作業量より平均値で3倍以上になるケースがあるという。藤澤一郎会長は、作業量の多さから「単なる手伝いで作成できない」と述べ、適正な報酬が必要と強調した。
A 全国鐵構工業協会も、適正な経費確保などに向けた課題対応策を発表した。
D 鉄骨製作図の承認遅延問題を是正・解消するため、ゼネコンとの正式な契約締結前に提示する見積条件書に、図面に関連する細かい決めごとを明文化した「特記事項」を添付する。鉄骨製作図の確定遅延や度重なる変更などに対し、施工図や製作図などの承認・決定期限を一覧にした「もの決め工程」の作成、順守、変更が生じた場合の適切な代金追加や工期延伸などを求めている。
B 鉄骨ファブリケーター業界は5年前に時間外労働の上限規制が適用されている。その後、建設業にも適用が始まったため、現場課題の解決に向けて、24年4月の要望からさらに踏み込んだ対応を求めた格好だ。
E サプライチェーンの特定箇所にしわ寄せが及ぶのではなく、改正建設業法の趣旨を踏まえながら、適切な負担によって全ての関係者が持続可能な形で仕事ができる業界にしていかなくてはならないね。