北海道湧別町は、新庁舎建設の基本設計案をまとめた。庁舎棟と校舎棟を並列に配置することで、両棟の連携を高め、分かりやすい計画とする。建物正面となる東面は、外壁面ラインを合わせた顔づくりを行う。規模は庁舎棟がRC一部木造2階建て延べ3613㎡、校舎棟がRC造2階建て延べ3869㎡。総事業費(税込み、以下同)は全体で59億0300万円を見込む。うち庁舎棟は33億6800万円で、建築工事費が20億7800万円、電気設備が4億9200万円、機械設備が7億9800万円。既存校舎改修費は10億1400万円で、建築工事費が6億6900万円、電気設備が1億7900万円、機械設備が1億6600万円。
新庁舎は、2050年カーボンニュートラル(CN)を視野に入れ、省エネルギー化を推進し、ライフサイクルコストを削減する。ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)Readyの達成を目標とするとともに、木材利用を促進し、同町らしさを感じさせるデザインとする。
建設地は、中湧別南町914、915、924-1~3の広さ3万5893㎡。
庁舎の外観には、町有林のカラマツをふんだんに使う。東・北面はオープンなガラスカーテンウォールとし、敷地内の緑や自然光を建物内に取り込むとともに、外観からも木造が感じられるデザインとする。南・西面は敷地内の木々が林立する様子を連想させるリズムのある外面デザインとする。
庁舎棟と校舎棟は正面をそろえ、庁舎棟のボリューム感を校舎棟に合わせることで、2棟に一体感のあるデザインとする。
庁舎棟の共用部は2層吹き抜け空間とし、明るく開放的な空間を創出する。床、壁、天井仕上げ材に町有林の木材や、貝殻を加工したタイルなどを採用し、親しみやすい内装計画とする。
中湧別小学校の校舎棟改修は、既存建物を最大限に生かした計画とする。現地調査の上、利用できる設備や照明は、そのまま使う。配管・配線も更新時期を考慮し、最善の改修プランを立てる。1階には保健福祉センター・子育て支援センターを備える。
事業スケジュールは、26年7月から庁舎棟建設工事、27年4月から校舎棟改修工事に着手し、28年3月の完成を目指す。
設計は梓設計・岩見田設計共同企業体が担当している。