【BIM未来図】九州地方整備局 BIMの基本操作習得/営繕技術者22人が参加 | 建設通信新聞Digital

9月19日 金曜日

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【BIM未来図】九州地方整備局 BIMの基本操作習得/営繕技術者22人が参加

九州地方整備局は12日から18日にかけて、国と自治体の公共建築発注者を対象にしたBIM基礎研修を福岡県久留米市の九州技術事務所で開いた。同局のほか、中国、四国の整備局、九州管内の県・政令市の営繕技術者22人が参加し、BIMの基本操作を習得した。

研修は、公共建築事業の設計・施工段階でBIMを活用する際、発注者として仕組みを適切に理解しながら対応できるよう、BIMモデルを自ら操作して概念や機能、活用方法を習得することを目的とする。2019年度から隔年で若手職員を対象に実施しており、今回で4回目となる。

オンラインで実施した12日は、BIMの取り組みと活用事例、国内外の最新動向のほか、オブジェクトやワークフロー、業務仕様などの基本理念を習得した。

16~18日は、グラフィソフトの「Archicad」を使ったBIMモデルの作成を通じて壁や柱、梁の配置方法などオブジェクトの基本操作、BIMモデルから図面を生成して編集する流れを学んだ。また、設計から施工、維持管理までの一貫したBIMモデルの活用を想定し、閲覧や情報の取り出し、データ引き継ぎ、干渉チェックなどの操作の習得、BIM活用方策の意見交換などを行った。

25年度に新築設計業務でBIMの全面施行を始めた鹿児島県から研修に参加した土木部建築課の脇田佳さんは「県でBIMを扱える人は少ない。BIM推進担当として、BIMを扱えるようにするとともに、普及啓発を図る必要がある」と語った。

北九州市都市整備局建築部建築課の村上小百合さんは「北九州市のBIM活用は試行段階で、24年度は設計BIMで1件、25年度も消防施設の実施設計の1件だ」と現状を説明。市内の設計事務所にBIMを活用してもらうために「発注者としてBIMの理解を深める必要がある」とした。

九州地方整備局は、直轄土木業務・工事へのBIM/CIM原則適用を始めた23年度以降、BIMの普及拡大に努めている。25年度は、大分合同庁舎の実施設計業務でBIMデータから積算数量を算出する「BIM連携積算」を試行し、通常の積算と比較検証する。これらの取り組みについて、西正信営繕部官庁施設管理官は「BIMを学んだ人材が増え、普及が進めば営繕工事の在り方が変わる」と強調した。



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