【上空1キロの大気を可視化】観測ドローン開発中/ツバサ・フロンティア | 建設通信新聞Digital

12月26日 金曜日

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【上空1キロの大気を可視化】観測ドローン開発中/ツバサ・フロンティア

小型大気観測ドローン

 千葉県を中心に補償コンサルタント業務を行うツバサ・フロンティア(千葉市、田上敏也代表取締役)は、「小型大気観測ドローン」を開発している。現在は福岡県の志賀島で福岡大学と共同して測定精度を検証中だ。田上代表は「2026年初頭にレンタルでの提供開始を見込む。従来は大気を直接計測する負担が大きかったが、これを軽減する。環境アセスメントや学術研究などのニーズを開拓したい」と語る。

 同社は1986年に千葉四門として創業し、2023年にドローン事業を開始し現社名に改名した。小型大気観測ドローン以外にも、災害対応用や農薬散布用のUAV(無人航空機)を製造・販売している。

運用しやすさのため、専門パイロットなしでも操作可能とする

 開発のきっかけは、同社が学術機関と共同で南極での調査に参加したことだった。「上空の空気を測る際、現在は地上用の観測計器を大型UAVに搭載し飛行させている。操縦者や補助者の手配など、調査のハードルが高い」という問題を実感。上空の大気の流れは地上のセンサーからの観測による推定に頼る場合も少なくないが、微小粒子状物質(PM2・5)など、地上に落ちてくるまで観測できない物質もある。

 開発中の機体では、PM2・5、二酸化硫黄、一酸化炭素、二酸化窒素、オゾンといった大気汚染の主要指標を一括してリアルタイムで計測できるセンサーをUAV向けに最適化して搭載した。これに伴う機体小型化により、専門パイロットでなくても操縦でき、1、2人での運用が可能となる。飛行・計測可能な高さは航空法による規制も関わるが、性能的には上空1キロまで可能だ。

 

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