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【国際園芸博まで1年】GREEN×EXPO協会 脇坂隆一推進戦略室長に聞く

最終更新 | 2026/03/18 10:12

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メインガーデン


脇坂氏

 横浜市で来年3月に開幕する「GREEN×EXPO2027」。19日、開幕まで1年の節目を迎える。最上位クラス(A1)の国際園芸博覧会は、1990年に大阪府で開催された「国際花と緑の博覧会」(花の万博)以来、わが国では37年ぶり、2回目となる。気候変動による影響が顕在化し、当時の博覧会の理念『自然と人間との共生』の“意味”が一層身近なものとなっている今、今回の博覧会も花の万博同様に、数年、数十年先を映し出す“起点”になり得る。「変化していく地球環境の中で、人類は幸せをつくっていくことができるのか」。そう提起するGREEN×EXPO協会の脇坂隆一推進戦略室長に、今回の博覧会の意義と見どころを聞いた。

 横浜・上瀬谷の約100haを舞台に開催される今回の博覧会テーマは『幸せを創る明日の風景』。このテーマの誕生は、2017年にさかのぼる。同年に横浜市がスタートした国際園芸博覧会招致検討委員会で議論を重ね、生み出されたのだ。以来、徹底してこのテーマを守り抜き、詳細を詰めていった。

 当時から携わり続けてきた脇坂室長は、「現在は豪雨や猛暑、豪雪など、異常気象が当たり前になりつつあり、地球環境問題は人類全体の大きな課題になっている」と前置きした上で、「テーマの『明日の風景』は、未来の地球や社会がどうなっていくのかということを問うている」と話す。

 続けて、「生命体であるわれわれは、これからも生きていかなければならない。幸せをつくっていかなければならない。地球温暖化を止めることは人類全体に課せられた大きな課題だ」と指摘する。

 こうした思いがあったからこそ、今回の博覧会は、「花」「植物」はもちろん、「環境に優しい」という意味を持つ“GREEN”を主役に据え、「GREEN×EXPO2027」と命名したのだ。

 その博覧会会場は、「人類がどのように持続可能に生きていくかを皆で考え、それぞれの思いを提示する場になる」と脇坂室長が言うように、出展者は「幸せを創る明日の風景」の形をそれぞれの世界観で表現していく。

 具体的に見ていくと、「Village(ビレッジ)」と呼ばれる比較的規模の大きい出展では、12グループの出展企業がそれぞれ屋外空間や展示施設で、独自の体験やコンテンツを提供する予定だ。大阪・関西万博と同様、世界中から現時点で60以上の国・国際機関が出展する見通しとなっており、国際交流の場ともなる。

 また、今回の博覧会で特徴的なのが、屋内外の「花・緑出展」だ。出展者は最小25㎡から庭園作品や植物、装飾、資材といった生産品を出展できる。

 会場では協会による整備を含め、200以上の庭園が散りばめられ、どこを歩いても花木の風景が楽しめるという。季節ごとに花の植え替えも行うことで、「何度来ても楽しめる」。大阪・関西万博でも人気を博したスタンプラリーの実施や、公式マスコットキャラクター・トゥンクトゥンクのさまざまなグッズ販売も計画されている。

 会場整備に向けては、既に着工している日本政府苑のほか、出展者による展示施設の建設が3月から本格化していく。協会では、テーマ館や園芸文化館などを整備。会場内には田んぼも設け、会期中に田植えから収穫までの様子が見られる予定だ。

テーマ館鳥瞰イメージ(提供=GREEN×EXPO協会)


 脇坂室長は「皆さんの中には、『地球環境は今のままで大丈夫なのか』という不安を抱えている方がいると思う。それに対して、『ライフスタイルや暮らし方をどのようにしていけば良いのか』『食と農の在り方はどのようになっていけば良いのか』など、ソリューションを提示し、来場者、出展者が皆で考えていく場にしていきたい」と力を込め、「多くの人に良かったと言っていただけるものをつくっていく。『27年にこの博覧会に行った』という経験を意味あるものにしたい」と意気込む。

展示イメージ(提供=GREEN×EXPO協会)


 テーマ館 建築家・隈研吾氏が植物をイメージしてデザインした建築は、CLT(直交集成板)を重ねたデザイン。館内ではトゥンクトゥンクがガイド役を務める。展示は学術団体から推薦を受けた有識者の監修を得て、最新の研究成果と映像演出の掛け合わせにより、植物の知られざる生態・魅力を体感できる。東日本大震災の津波に耐えた陸前高田市の「奇跡の一本松」の根を、映像と合わせて展示演出することで、植物の根と土の中の菌類の関係性を実感できる。

「令和日本の庭」(提供=国土交通省・農林水産省)

 日本政府苑 2.5haの敷地を使用し、会場内最大規模の出展となる。横浜市内を流れる和泉川の流頭部という立地を生かした「令和日本の庭」が見どころの一つ。既存の樹木や在来の植物を活用しながら、京都の造園家・井上敏宏氏(植芳造園)がつくり上げる。建物は西館と東館の2棟の木造建築で構成し、全国各地で継承されてきた自然と人との営み・共生の姿を展開するとともに、みどりがもたらす未来の姿を提示する。

 園芸文化館 緑化屋根の和風建築は隈研吾氏による設計。日本に根付く園芸文化を屋内展示で楽しんだ後は、屋外に再現された江戸時代の植木屋・花屋敷で四季折々の植物を観覧。園芸が大流行し、将軍から庶民まで、皆が珍しい花を希求し、園芸に親しんでいた江戸時代の市井のにぎわいを堪能できる。当時流行した「変化朝顔」など、会期中は季節に合わせたさまざまな伝統園芸植物を楽しむことができる。シアターでは、明治期から現代に至る園芸文化の歴史を映し出す。園芸をテーマとした美術作品も展示する予定だ。

園芸文化館鳥瞰イメージ(提供=GREEN×EXPO協会)

 ■2027年国際園芸博覧会(GREEN×

  EXPO2027)
会期:2027年3月19日から9月26日まで
開催場所:横浜市旧上瀬谷通信施設の約100ha(このうち会場区域約80ha)
有料来場者数:1000万人以上
入場チケット:前売り1日券大人4900円、中人3000円、小人1400円、会期中販売1日券大人5500円、中人3300円、小人1500円。夜間券や通期・夏パスなどもそろえる

 

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