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【私のルイス・カーン】建築家・工藤國雄氏が20世紀建築界の巨匠で恩師の人物像、思想を語る

最終更新 | 2019/04/04 16:25

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 20世紀建築界の巨匠、ルイス・カーンに師事し、『私のルイス・カーン』の著者でもある建築家の工藤國雄氏の講演会が、東京都渋谷区のワタリウム美術館で開かれ、カーンの設計過程や人物像に迫る興味深いエピソードなどが披露された。工藤氏は35年にわたってニューヨークのコロンビア大学で教鞭をとりながら設計に従事していたが、最近帰国して日本に活動の場を移しており、カーンについて公の場で語るのは久しぶりのこと。会場には100人以上が詰めかけ満席となった。

講演する工藤氏(ワタリウム美術館)


 講演は、工藤氏が仕事を一緒に手がけた「キンベル美術館」など3つの美術館をテーマに展開。著書でも触れている妻以外の2人の女性がカーンの建築に果たした役割なども話題にした。
 キンベル美術館についてはこう話す。「キンベル美術館の美しさと安らかさは誰も異存がないのではないだろうか。私が事務所に入った時は、ほぼでき上がっていて、任せられたのは外構工事のコンクリート型枠の図面だった。型枠だから規則的に描けば良いと思って見せたら、散々怒られた。左右対称という図面を描いた時にも怒られた。『クニオの図面は、左が右を真似しているのか』と」
 朝から晩まで「NO」を言い続ける人だったとも言う。「朝行ったら、白茶けた顔をしていて、お昼ごろには血が上ってきて顔の半分くらいまで黒くなり、夕方は額まで真っ黒になって怒り続けていた」。それも建築のことだけを話し続けるのだという。
 工事が進むと同時に平面計画が変わっていったのもカーンのやり方だった。「昨日のスケッチときょうのスケッチが違うと言うと、カーンは『これはきょうの真実、それは昨日の真実』だと言う。平面計画はすべて施工段階で決められた」

ルイス・カーン

 キンベル美術館は2階に上がった瞬間、約30mのスパンを飛ばした圧倒的な空間が目の前に広がる。「見て良い空間というのではなくて、居て安らぐすごい空間だと思う」。美術品にとって最大の「敵」である光を間接的にうまく取り込んでおり、そのための現場打ちにこだわり、スタディーを際限なく繰り返したという。カーンにとって現場打ちというのは手仕事の跡を残すことでもあった。
 カーンの建物を特徴づけるおもしろい点は、キンベル美術館をはじめ目ぼしい建物に玄関らしいものがないこと。「出迎えは無表情な壁。玄関嫌いだったと言ってもいい。キンベル美術館も皆さんは反対側が入り口だと思っている」
 このほかにもイェール大学美術館、メロン英国美術館についても触れ、イェール大学美術館は、アン・チンというハーバード大学で建築を学んだ女性の影響を強く受けていると話した。「誰が猫をライオンにしたのかという言い方が良いのだと思う。アン・チンは建築ジョイントの求道者と言われたワックスマンの弟子。この影響が強く反映されている」
 「沈黙と光」の建築家と言われた謎についても、見える光(現象界)と見えない光(実存界=精神)が相克・対立し燃焼して物質界になるなど、カーンの論理を著書などから披露した。

工藤 國雄(くどう・くにお)氏
 建築家。1938年、小樽に生まれる。東京工業大学で博士号取得の後、ペンシルベニア大学に留学、希有な建築家ルイス・カーンに「遭遇」、建築に「真実」を求める壮絶な設計に触れる。71年から10年、名古屋工業大学で助教授を務めた後、米国ニューヨークへ。以来35年、ニューヨークのコロンビア大学で教鞭をとりながら設計に従事、最近帰国。
 著書に『私のルイス・カーン』(鹿島出版会)、『ルイス・カーン論』(彰国社)、『講座:ルイスカーン』(明現社)、『計画論』(中央公論)、『方法の美学:建築にとって美とは何か?』(井上書院)など。

ワタリウム美術館
 ルイス・カーンに師事したスイスの建築家、マリオ・ボッタが設計し、1990年にオープンした。所在地は東京都渋谷区神宮前3-7-6。国際的なコンテンポラリーアートを中心に展示する私設美術館。美術館名は創設者の和多利志津子氏の名前からとっている。地上5階建てで1階と地下にミュージアムショップがある。
 オープンの年に同美術館で行われたボッタの講演によると、「ワタリさんからこの小さな土地に建築を依頼されたとき、私はすぐに、街と土地にどんな解釈を与えればよいかを、考えました。最初に考えたのは、まず正面に大きなファサードをおくこと。これは街に豊かさを与える、都市の新しい顔であり、オリンピックの時にできたという広い道の法則性に応えたものです」と述べている。

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