【電子契約×クラウド】CEC.COMの「基本契約締結サポートサービス」で手続き効率化、コスト削減  | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【電子契約×クラウド】CEC.COMの「基本契約締結サポートサービス」で手続き効率化、コスト削減 

 改正民法の4月1日の施行に合わせ、元請企業と下請企業が工事下請負基本契約(基本契約)の再締結を求められている。大手ゼネコンは1万社もの下請企業と基本契約を短期間に再締結する必要があり、この手続きを効率化するため、コンストラクション・イーシー・ドットコム(CEC.COM)は『基本契約締結サポートサービス』を開発した。クラウドを活用した電子契約サービスを導入することで事務手続きを大幅に効率化し、印紙代や書面の郵送費が不要になるなどコストダウンにも貢献する。
 120年ぶりとなる民法改正が2017年5月に成立したことを受け、国土交通省の中央建設審議会は建設工事標準請負約款(標準約款)の改定を19年12月20日に決め、4月1日に適用開始する。ただ準備期間が短いことから、元請企業は短時間の契約締結の履行が必要であり、事務作業の効率化に迫られている。
 「基本契約締結サポートサービス」は、クラウドを活用した電子契約により、書面作成、発送、進捗管理などを大幅に効率化する。既に大手ゼネコンが導入し、更新作業を進めているという。具体的には国交省の技術基準に適合した『DocuSign』を電子契約ツールに採用し、元請け、下請け双方の作業を効率化するほか、1000件同時の手続きが可能になる。
 サービスの手順は、まずは元請企業が下請企業に基本契約を電子化することや署名者情報を最新状態に更新する必要があることを通知する。その際、元請けが取引先コードを発行済みの下請企業がサービス対象になる。
 署名者情報の収集では、同社がウェブサイトで提供する「企業情報収集ツール」を利用する。通知を受けた下請企業はウェブサイトからログインし、企業情報や電子署名の確認者と署名者のメールアドレスなどを登録する。これにより、元請企業が保有する下請企業の署名者情報が最新の状態に更新される。
 元請企業が下請企業の署名者情報を確認した後、CEC.COMは、両者の署名者情報をDocuSignのシステムに移し、下請企業の確認者と署名者に署名依頼メールを送信する。受信するとメール内のリンクから最新情報が反映した基本契約書にアクセスできる。内容を確認した後、署名者が署名する。
 続いて署名した文書は元請企業に送られ、元請け側が署名する。完了したらタイムスタンプを押し、原本としてDocuSignのクラウドに長期保管する。同時に完了通知メールが下請企業に届き、基本契約書や完了証明書を受領。必要に応じてダウンロードし印刷できる。
 電子契約により、印紙代(元請け、下請けともに4000円ずつ負担)が不要になり、コストダウンにも貢献する。
 CEC.COMは今後、中堅建設業を含めてサービスの普及を図り、基本契約更新の効率化に貢献する考え。今回の基本契約の電子化による更新を機に、電子契約に初めて取り組む企業が、建設産業界で取り組んでいるCI-NETの利用拡大につながることも期待される。 
 
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