【ドローン「屋内外自律飛行システム」の精度確認】来年にもレンタル運用開始 竹中工務店ら | 建設通信新聞Digital

5月1日 水曜日

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【ドローン「屋内外自律飛行システム」の精度確認】来年にもレンタル運用開始 竹中工務店ら

 竹中工務店は、カナモトとアクティオとともに、BIMを使ったドローンの「屋内外自律飛行システム」の実証試験を実施し、飛行精度確保の有効性を確認した。非GPS(全地球測位システム)環境下の屋内建設現場などで、BIMとドローンを連携させて自動巡回を可能にする技術だ。年内に追加修正を加え、2022年からレンタルでの運用開始を見込んでいる。

 実験では、手動操作で事前に地図を作成することなく、BIM上で離陸・経路・着地地点の飛行ルートを設定してドローンを動作させた。BIMのみで飛行経路の設定と屋内自律飛行を実現することで、事務所や遠隔地からも安全巡回や現地確認が可能となり、作業所への移動・現地滞在時間の削減に貢献する。

 通常、屋外のドローン飛行ではGPS信号を受信するが、屋内を始めとした非GPS環境下の自律飛行では、SLAM(自己位置推定技術)により地図生成技術と自己位置推定が必要となる。

 実験では、前方ステレオカメラを搭載したVSLAM技術による自己位置測位を行う機体を使用。BIMデータを変換したソフトウェア「SENSYN CORE」上でドローンの離陸ポイントと飛行ルートをBIMデータ上で「見える化」した。誤差は手動操作と比べてプラスマイナス約15cm。

 現状は周辺状況が変化する建設現場での使用を対象としているが、今後は竣工後の建物での使用も想定している。1度の飛行時間は約20分で、通行可能な幅は150cmの仕様となっており、今後は小型化や静音化、充電問題などのハード面の課題解決に取り組む。

 また、今後の共同研究では、BIMの活用範囲拡大とともに「建設ロボットプラットフォーム」の開発も見据えている。これは作業所で稼働するロボットをクラウド上で一括管理するもので、ドローンのほか、搬送ロボットや清掃ロボットなどを一括管理し、動作範囲の設定や遠隔指示などの地図情報にBIMデータを活用する。機器同士の連携も可能で、ドローンが抱える稼働時間の課題解決にもつながる。

 実証試験場所は、岡山県岡山市北区田町2-1-10にある新築工事現場。



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