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【業種を超えた設計情報の共有プラットフォームに】課題や知見の共有促す/アラスジャパン

最終更新 | 2023/06/05 10:00

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(ひさつぐ・まさひこ)1990年代前半から、製造業へのPLMシステム導入・設計開発業務コンサルティングに従事。2012年、米Arasの日本法人設立に伴いアラスジャパン社長に就任。


 米Aras(アラス)は、設計情報を関係者間で円滑に共有できるプラットフォーム「Aras Innovator」(アラスイノベーター)の開発・販売などを手がける。ユーザーは製造業中心だが、昨今では建築分野にも採用が広がっている。日本法人アラスジャパンの久次昌彦社長は建設業に対して、「働き方改革やスマートシティの実現には、アラスイノベーターのようなオープンな情報プラットフォームが必要となる」と期待を込める。

◇「早くテナントを入れたいのに困る」

 アラスイノベーターは、ソフトウエアの種類としてはPLM(製品ライフサイクル管理)システムに属する。PLMシステムは、図面を設計部門が改訂した際に企画、生産、販売など他部門へ改訂版の内容を自動で通知したり、要求仕様書と仕様決定時のコメントなどの関連情報をひも付けて管理可能とする「デジタルスレッド」を構築するなどの機能を持つ。

 アラスジャパンが建設業に展開を広げる一つの契機が、オフィスを構える東京ミッドタウン日比谷(東京都千代田区)での関係者との会話だった。「竣工引き渡し時に『検査に使うデータが紙ベースだったり、データ内容に設計変更が反映され最新版になるまで時間がかかって検査が遅くなる。早くテナントを入れたいのに困る』などの要望を聞いた」。聞き取りを進めると「ほかのデベロッパーも似た状況」と判明した。

アラスイノベーターは3D設計情報を共有するプラットフォームで、ソフトウエアの種類としてはPLMシステムに含まれる

◇PLMシステムは建設業に適用できるか

 ポイントは「情報のサイロ化(分断)を解消すること」にある。

 情報のサイロ化とは、設計、品質管理、購買など各部門が自部門に特化したシステムやデータ形式を採用した結果、部門をまたぐ情報共有・更新に支障をきたした状態をいう。最新版でない図面で作業を進めて手戻りが発生し業務の非効率が起きる。これを解消するため製造業でPLMシステム導入が進んでいる。

 ただ、通常のPLMシステムでは建設業に適用しにくい。その理由を「製造業では『社内の全部門が同一のPLMシステムを使い情報共有する』といった意思統一が容易なのに対し、建設業では一つのプロジェクトにおいて、企画や設計、施工などが異なる会社に分かれているため意思統一しにくい」と説明する。

 さらに「ゼネコン、建材メーカー、設備会社によってBIMデータ形式が微妙に異なることがある。データをそのままでは共有できないことも多い。このような『データの方言』への対応が必要となる」ことも指摘する。

 こうした建設業固有の条件への対応について、久次社長は「アラスイノベーターのローコード(ソフトウエア開発の技術がない人にもカスタマイズ可能なこと)かつオープンアーキテクチャー(設計や仕様に関する情報を一般公開すること)という特色が生きる」と語る。施主、ゼネコンや建材メーカーが持つ個別のシステムと連携させるなど、各社が自社に合わせた機能をカスタマイズで簡単に追加できる。ユーザーが自由にダウンロードして試用できるため、導入のハードルも低い。これらの利点により、建築物から見た共通の情報プラットフォームを目指す。

2022年開催のACEのようす

◇課題をオープンに語り合う

 しかし現在は、「建築物から見て情報がサイロ化しており、どの段階の誰がどう困っているか、課題が共有されていない」と語る。このため「建築物の企画から設計、施工、保守管理など関係者を幅広く招いて話し合い、課題を共有できるラウンドテーブルを企画している」という。

 ラウンドテーブルの効用について、自動車製造業での経験を挙げる。「2018年ごろ、日本の自動車OEMメーカーから『モデルベース・システムズエンジニアリング(MBSE)という開発手法に対応したい』という要望が出てきた。しかしMBSEに詳しい人が国内に少なく、メーカー各社が個別に同様の悩みを抱えていた。そこで当社はメーカー数社を集め『MBSEについて課題に思うことを語り合ってほしい』とラウンドテーブルを実施し、課題を共有する機会を何度も設けた。その中で得た結論として、『競争する領域は製品の質だ。MBSEの理解度ではない』との意識が広がり、会社を超えてMBSEに関する知見の共有が始まった」。意識の変化によりMBSEが普及し、アラスイノベーターのユーザー拡大にもつながった。

◇情報のサイロ化解消は競争領域ではない

 この経験を基に、建設業では「『競争する領域は、造った建物の質である。情報のサイロ化をどう解消するかは競争領域ではない』との意識や、『QCD(品質・コスト・納期)の最適化を達成するために建築プロジェクトでも会社を超えた情報共有が必要』という考え方を広げる」と意気込む。「例えば、建材メーカーのBIMデータをゼネコンが図面に採用し施主への納品物として提供するといったことや、設計変更などもを関係者へ迅速に共有することが可能となる」と期待する。

 アラスイノベーターの場合、業務上の課題やノウハウ、拡張機能などは、異なる業界のユーザー間でも共有されている。その媒介となるは、既存ユーザーや導入検討中の会社などが集まる招待制のイベント「ACE」や、コミュニティーサイト、ユーザー会での会話などだ。これらもアラスイノベーターの展開を促進している。6月15、16日には、招待制の「ACE」(アラスコミュニティイベント)の開催を予定する。

■会社概要 Aras
 2000年に米国マサチューセッツ州アンドーバーで設立。主な事業であるアラスイノベーターは世界で550社、400万人以上のアクティブユーザー(ともに23年2月時点)を得ている。

 

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