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【連載・復旧の光と影、二つの能登災害(5)】何のために何を復興するのか

最終更新 | 2025/01/15 13:31

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昨年1月上旬、見知らぬ地で道路啓開に当たる。県南部から1班3人態勢で応援に来た


 「これ、ほんとに直すのか」

 2024年4月9日付『建設通信新聞』1面の連載記事「能登半島地震発災から3カ月」(6回目)の見出しだ。発災直後に石川県南部から道路啓開に駆け付けた建設会社社員が被災地の惨状を目の当たりにした時のつぶやきである。

 くしくも同日に東京で開かれた財政制度審議会財政制度分科会は、能登半島地震の復旧・復興の在り方について「将来の需要減少や維持管理コストを念頭に置きながら」「集約的なまちづくりやインフラ整備の在り方も含めて十分な検討が必要ではないか」と提起した。まだ4000人を超える人々が避難所で暮らし、4000戸近い世帯が断水して明日をも知れぬ状況に置かれていた当時である。

 「集約化」を求めるこの文言に石川県の馳浩知事も不快感を示した。県はその後6月に創造的復興プランを策定し発表。被災した県内の市・町でも復旧活動と並行して復興計画づくりが進んでいる。

 人口減少が急速に進む小集落が半島の沿岸沿いに点在する能登地域は、被災による道路の寸断で孤立集落が多数に上った。時折吹雪が舞う中、人家もほとんどなく土砂と倒木で法線も確認できない山道の啓開最前線で「これ、ほんとに直すのか」と独りごちた技術者の胸の内ではどんな思いが交錯していたのだろうか。

 金沢市に本社を置く地域建設業の若手経営者は、過去に能登で起きた何度かの地震と違い、今回は「わがこと」という意識があったと振り返った上で、「ひとごとであるうちは威勢のいいことや、客観的な見方もできるが、わがことと考えると、復興の方向は簡単にまとまらない」と話す。「網目状の道路を元どおりに直すより、集落を統合して新設道路1本でつなげば安上がり。でもそれはひとごとだから描ける計画だ。かといって、かつての風景を取り戻すのだと思いなしても、『集約化』や『効率』という考え方を無意識に勘定に入れてしまっている自分がいる」とほぞをかむ。

 能登の復興を他県にいながら自分ごととして注視し続けている人は少なくない。新潟県内の過疎化が進む中山間地で建設業を営む若手経営者は、昨年夏に石川県輪島市をボランティアで訪れ、被災家屋の片付けなどに当たった。自身のフィールドでもこの冬、土砂崩れが発生。近隣集落では大事がなかったものの、いつ日常生活に支障が出ても不思議ではないのが現状だと指摘する。

 「人も物資も地方から多くが大都市に供給され、今日に至るまで国土を支えたのは間違いなく地方だった。先人から守り抜いてきた国土や地方資源を都市部の論理だけで捨ててしまうことがどれだけ大きな罪か」と訴える。その上で「地方や地域を守っていくのは地域建設業しかいない。消防団などさまざまな諸団体の活動に関わっているのは建設会社社員であり、その度合いは年々強まっている。地域建設業の存続がその地域の存続に直結している」と強調する。

 国土交通省北陸地方整備局の信太啓貴企画部長は、昨年暮れに開かれた能登半島地震に関するシンポジウムで登壇し、個人的感想と断りながらも「(この震災で)どう復興するのか、日本が試されている。どこにいても(日本国民として)平等に扱われるのか、そうでなく切り捨てられるのか、重たい課題を突き付けられているのでないか」と問い掛けた。その上で「B/C(費用便益比)ではなく、もっと大きな、ナショナルミニマムという視点で考えていくべきだ」と訴えた。

 発災から1年、地元で「切り捨て」論議を耳にすることが増えた。国の財政運営を家計のやり繰りになぞらえ、経済合理性がないと判断した事業を削り続けてきた結果が、地域防災力の毀損(きそん)と、経済を含めた国力の大幅低下として現出していることに誰よりも居たたまれない思いでいるのが被災地の地域建設業だ。何のために、何を復興するのか。

 まさに「日本が試されている」

 (おわり・能登半島災害取材班=中川愼也、千葉大伸)

 

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