【記者座談会】国交省の概算要求/横浜でアフリカ開発会議 | 建設通信新聞Digital

8月30日 土曜日

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【記者座談会】国交省の概算要求/横浜でアフリカ開発会議

◇強靱化中計に期待も物価高騰どこまで反映

A 財務省への2026年度予算概算要求の提出が8月末で締め切られる。国土交通省の要求内容は。

B 国民の安全・安心の確保、持続的な経済成長の実現、個性を生かした地域づくりと持続可能で活力ある国づくりを3本柱とした。一般会計は前年度比18.9%増の7兆0811億円、公共事業関係費は19.0%増の6兆2819億円だった。埼玉県八潮市の道路陥没事故などを踏まえたインフラ老朽化対策には1兆0783億円を要求した。

C 第1次国土強靱化実施中期計画の必要経費や労務費確保と資材価格高騰を考慮した必要経費、北陸新幹線敦賀~新大阪の着工に必要な経費は事項要求とされた。

A 労務費確保と資材価格高騰を踏まえた経費は4年連続で事項要求となった。建設コスト上昇による事業量の目減りは近年、建設業界で懸念されてきたが、どこまで対応できるのだろう。

C 中野洋昌国交相は会見で「物価動向をしっかりと反映し、要求する」と説明した。しかし、大幅な増額は期待できないため、事業量確保には第1次国土強靱化実施中期計画が鍵となるだろう。

D 「5カ年でおおむね20兆円強」の“強”がどこまで反映されるかが注目だ。計画では、大口径の上下水道管路の更新や二条化などが盛り込まれた。今後の予算編成ではインフラ老朽化対策も非常に重要となる。

A 内閣支持率は上昇している報道がある一方、党内では総裁選前倒しを求める動きもある。当面は公共事業の動向が不透明な時期が続くだろう。

B 行政と建設業団体との意見交換の場では、地域や業界の実情を継続して訴える必要があるとよく耳にする。いずれにせよ、今後も事業量の確保に向けて要望していくことが重要だ。

◇成長市場で未来志向の取り組みを

日・アフリカ官民インフラ会議の様子


A ところで日本政府が主導する「第9回アフリカ開発会議(TICAD9)」が20日から22日まで開かれた。

D 今回のテーマは「革新的な課題解決策の共創」だ。「経済」「社会」「平和と安定」のセッションごとに首脳間で意見が交わされた。関連して、国交省もインフラ関連での日本企業の現地進出支援を目的に「第4回日・アフリカ官民インフラ会議」を開くなど盛り上がりを見せた。

C 会場となった横浜市・みなとみらい21地区を取材すると、いつもと違う光景だった。さまざまな人種が入り交じり、国際会議ならではの雰囲気が漂っていた。

A 成長著しいアフリカ市場に注目する企業は多い。

B 併催イベントには、ゼネコンを含めて建設関連企業も出展していた。ただ、あるゼネコンの職員によると本格的なビジネス展開はしばらく先との認識だった。

D アフリカは一つのカテゴリーとして見られがちだが、54カ国を抱え、実に多様だ。言語も数多くの現地語に加え、西部や中部はフランス語圏、東部や南部は英語圏が多い。進出企業によっては、これらの言語圏によって得意・不得意があるという話も聞く。

C 少し話はそれるが、対人地雷除去機で地雷除去を行う企業も出展していた。アフリカでは依然多くの国が地雷の恐怖にさらされている。戦地での実績を持つ同社の話は興味深い。例えばウクライナでは開戦以降、ドローン分野で世界最先端技術を保有するまでに至ったという。この技術を活用し、遠隔での地雷除去に試みるというのだ。

A 戦争が技術開発を加速させるという悲しい現実がある。しかし、その技術をどう生かすか。未来志向の取り組みに、建設業界の果たす役割はとても大きい。

 

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