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11月5日 水曜日

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【ハイパーカミオカンデ計画】KEKの中間検出器施設着工/設計は日本工営、施工を森組

 高エネルギー加速器研究機構(KEK、浅井祥仁機構長)は、素粒子ニュートリノの素性に迫る国際共同実験「ハイパーカミオカンデ(HK)計画」の一環として、茨城県東海村で新たにニュートリノを測定するための中間検出器(IWCD)施設の設置工事に着手する。設計は日本工営、施工は森組が担当する。

鍬入れ


 直径約10m、最深部までの深さ約50mの立て坑を含む実験棟と、制御棟の計2棟の建屋を2027年度末までに整備し、28年度後半までに国際共同実験グループにより検出器を設置して本格的な観測開始を目指す。

 11月4日、現地で開かれた着工式で浅井機構長は、「今回新設する検出器はニュートリノの観測で非常に重要な施設。多くの関係機関の協力があり、無事着工する運びとなった。ここで最先端科学が花開くことを願っている」とあいさつした。

 施工を担当する森組の吉田裕司社長は、「世界的な科学プロジェクトの一環である本工事を担わせていただき光栄だ。施工に当たって、安全第一を基本理念に、労働災害ゼロを目指し、全従業員が一丸となって取り組んでいく所存だ。地域の皆さんとの調和を大切にし、環境への配慮を徹底しながら、安全安心の現場運営に努めていく」と力を込めた。

 その後、浅井機構長、吉田社長、山田修東海村長、俵幸嗣文部科学省研究振興局大学研究基盤整備課長、荻尾彰一東大宇宙線研究所長、小林隆KEKJ-PARCセンター長が鍬(くわ)入れした。

 同施設が完成すると、中間検出器で生成直後のニュートリノ、ハイパーカミオカンデ検出器で変化後のニュートリノをそれぞれ測定することで、ニュートリノが変化する前後の測定結果を直接比較することが可能となる。

 建設地は、東海村大字村松字細浦6000。

水野現場代理人兼監理技術者

 水野祥司現場代理人兼監理技術者(森組)の話

 「偉大な実験効果が期待されている施設だ。地域の皆さんや関係者の方々の期待に応えられるよう無事故無災害で工事を進めたい」

 

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