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【佐藤直良のぐるり現場探訪】100年に1度のプロジェクト! 渋谷“大改造”の最前線へ〈上〉

最終更新 | 2018/03/23 15:54

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大きく変貌を遂げようとしている渋谷駅周辺地区

 若者の街と呼ばれ、新しい文化を続々と生み出してきた「渋谷」。その街が大きく変貌しようとしている。今回は、渋谷駅周辺再開発の現場を訪ねた。江戸時代後期の古地図によると、宮益坂の坂上には大名屋敷がいくつも存在し、道玄坂との接点の低地には、今の渋谷川が流れ、周辺は田畑となっている。 筆者の大学時代(昭和40年代後半-50年代初頭)の渋谷は、新宿などとは違い、落ち着いた大学生の街であった。東急文化会館のプラネタリウム、東急東横線の緑色の車両、渋谷駅のかまぼこ型の屋根等々、多くの特徴を持っていた(さすがにロープウェイは姿を消していた)。銀座、六本木はハイセンスな大人の街で敷居が高かったため、東京西部方面の大学生は、渋谷で大人文化の入り口を経験したものだ。今では、より広い範囲から若者が集い、SHIBUYA109のファッション、サッカー国際試合での応援の場、ハロウィンの仮装文化等々、多くの新しい文化を生み、社会に話題を提供している。

◆100年に1度のプロジェクト

地下空間で渋谷川の付け替えの説明を受ける筆者

 現場を訪ねた日も、平日の午後とはいえ、渋谷は多くの若者でにぎわっていた。駅周辺は建設ラッシュである。関係者が一丸となって『街を創っている』のである。渋谷駅開業から130年が過ぎたいま進められている大事業。JRの東京、新宿等の主要ターミナル再開発とは趣を異にし、渋谷そのものの大改造といってよい。
 その最前線に立つのが、東京急行電鉄株式会社都市創造本部開発事業部である。今回のプロジェクトは、基盤として5.5haの土地区画整理事業と国道246号の改良があり、これに建物の再開発と鉄道改良を加えて行われている。
 プロジェクト全体の説明をされたのが、渋谷開発一部統括部長を務める三木尚氏である。三木氏は、一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメントの代表理事でもある。渋谷を「世界に開かれた生活文化の発信拠点」とするために、渋谷駅前の公共空間における広告事業の収益を活用し、工事中のにぎわい創出や渋谷の将来像の情報発信、オリンピック・パラリンピックに向けたおもてなし活動、清掃サービスレベルの向上など、街づくりのための公益的な取り組みを行っているそうだ。
 工事中、一般の方々に極力迷惑をかけないのが建設の世界の鉄則だが、にぎわいの創出にまで気を配る姿勢には驚かされた。

◆地下から街と暮らしを支える
 まず訪れたのが、渋谷駅基盤整備工事の現場。JR山手線沿いのヤードは驚くほど狭く、大変なご苦労が察せられた。

地上とは全くの別世界が広がる地下の現場

 地下に降りると、地上のにぎわいとは全くの別世界が広がる。掘削のための重機が忙しく動いている。渋谷開発の長い歴史の中で、建設に携わってきた人々の苦労と心意気に思いをはせると胸が熱くなった。地上では着飾った老若男女が渋谷の街を楽しんでいるこの瞬間も、地下では将来の人々の豊かな生活づくりのため、現場服とヘルメットに身を包んだ方々が黙々と汗を流している。彼らに心からエールを送りたい。『皆さんが未来の街をいま、造っているのだ!』
 建物の地下は複雑な構造で、東口の地下には広場があり、視線を少し高くすると渋谷川のボックス部分が見える。これまで地下広場整備の支障となっていた渋谷川を付け替え、下水道に移管したものだ。渋谷川を見上げた先には地上への吹き抜け空間が造られており、最終的には光を取り込むそうだ。今まで地下の渋谷川を見る人は皆無だったはずだ。ボックスとは言え、やっと地下の流れに光が注がれる。こんなところにも、渋谷でしか見られない光景が創られるのだ。
 地下広場のさらに下の空間には、雨水貯留槽が造られている。現状では時間50mmの降雨に耐えうる下水道整備がなされているが、雨水貯留槽の整備により時間75mmの降雨にも耐えられるようになる。河川・下水道と街づくりが一体となった浸水対策となっているのである。一方、西側の地下空間に造られる車路は駅の東西や道玄坂、桜丘口とも地下でつなげ、地下車路ネットワークを整備するそうだ。
 渋谷駅周辺の安全性と利便性を地下から支える重要な事業。説明する東急電鉄の担当者の眼も、きらきらと輝いていた。

◆事業の垣根を越えて

建設が進む渋谷スクランブルスクエア東棟

 今度は建設中の駅ビルに上った。渋谷駅街区は「渋谷スクランブルスクエア」と名付けられた。建設中の東棟は鉄骨が組みあがった状態で、外壁はまだ完成していない。防護ネット越しに、上層階から渋谷の街を眺めた。

渋谷スクランブルスクエアの完成イメージ

 眼下には、いまや世界的に有名なスクランブル交差点がある。JRの線路を挟んだ東側には、先ほど通ってきたヤードがあり、重機や資材が並んでいる。さらに先に目を向けると広い空き地が見えた。宮下公園だ。ここはかつて、渋谷の街に存在する貴重な緑の空間だった。1964年の東京オリンピック開催に向けて、下に駐車場、上に公園を整備し、多くの人々の憩いの場となっていた。2度目の東京オリンピックを迎えるに当たって、老朽化の進む公園では、渋谷駅周辺とは別の事業が進められており、渋谷駅方面の歩行者ネットワークや地域の防災機能の強化が図られることとなる。

◆水の流れを見直す

流れを感じさせる特徴的な外観の渋谷ストリーム

 渋谷川がつくった谷地形の底に駅ができ、駅を中心に発展してきた街「渋谷」。いつしか街が渋谷川を飲み込み、渋谷駅の南側から姿を現す川は、コンクリート3面張りの水路となっている。渋谷駅周辺再開発プロジェクトは、官民が連携し、この渋谷川の流れも取り戻す。

渋谷ストリーム完成イメージ

 渋谷駅南街区の現場を訪れた。ここは「渋谷ストリーム」と名付けられ、整備が進められているエリアである。「人も川も時間も流れる『クリエイティブワーカーの聖地』」をコンセプトにまちづくりに挑む。首都高速や国道246号によって分断された渋谷駅南側を地下およびデッキネットワークで渋谷駅と接続し、スムーズな人の流れを作る。シンボルとなる地上35階建てのビルは、流れを感じさせる外装で渋谷らしい景観を創る。そこにはオフィスや商業施設などを内包し、世界から渋谷へ、クリエイターの流れを作る。

建設中の渋谷ストリームの上層階から見える渋谷川

 ビルの上層階から南側の階下を眺めると、明治通りに並行してコンクリートの渋谷川が見えた。過去、注目されにくかった川に沿って、水辺のにぎわい空間を造ろうとしているそうだ。コンクリート護岸を利用した壁泉を施し、水の流れを確保する。
 20数年前、筆者らが河川再生の場として渋谷川・古川を取り上げて以来、やっと道筋が描かれた。渋谷らしい新たな水辺空間が創られることを願っている。

◆より広い視野で街づくり
 渋谷ストリームにより生まれた人の流れは、渋谷川に沿って代官山につながる。東横線跡地に広がるエリアでは「渋谷代官山Rプロジェクト」と呼ばれる開発が行われている。駅周辺とは異なる用途を持つ施設として、保育所や多様な客室タイプを持つホテルなどを含む複合施設を整備するそうだ。若者文化が大きな魅力となってきた渋谷だが、渋谷ヒカリエの劇場やセルリアンタワーの能舞台など、今までの渋谷のイメージとは一線を画す施設も新たに造られている。
 さまざまな年齢、国籍、価値観の人々が行き交う渋谷。多様性が生み出す化学反応は、原宿、青山、恵比寿など周辺の魅力ある街にも間違いなく広がりを見せそうだ。
 東急電鉄の皆さんの笑顔に向かい合い、そんなことを考えた。 
 (2017年10月18日取材) 技術経営士(技術同友会認定)・佐藤直良

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