【中野サンプラザ地区】採算性に疑問の声も/1月以降に計画案 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【中野サンプラザ地区】採算性に疑問の声も/1月以降に計画案

 東京都中野区は21日、「区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議」を開き、酒井直人区長が示した再整備構想の議論を始めた。委員からは、区政への意見反映や、事業採算性について丁寧な説明を求める声が挙がった。今後は月1回程度のペースで会合を開き、中野サンプラザの機能や役割、運営事業の採算性、再整備施設の施設計画などについて議論する。区は2019年1月以降に再整備の考え方や計画案をまとめる。
 酒井区長は「既に設置されているこの区民会議であれば、すぐに建設的な議論をしていただけると考えた。新たな委員も参加しており、活発な議論を期待している」と語った。区長は庁舎の建て替えは継続する一方、サンプラザの建て替えを再考するスタンスを示している。
 庁舎の建て替えは、議決を経て既に確定している。このため、委員からは「(サンプラザの建て替えを中止した場合)区庁舎の建設費用の収支はどうなるのか、ファイナンスの責任者は誰か」と疑問を呈する意見が出た。
 このほか、「仮に事業が中止し、事業協力者が必要ないという状況になっても、野村不動産グループへの補償負担はまったくないということか」との指摘もあった。これに対し区は「(野村不動産グループへの補償として)区民の負担がすぐに生じるということではない。ただ駅や庁舎、そのほかまちづくりに関係している状況を考えれば、(中止による)影響は大きいと考えている」と述べた。
 プロジェクトで事業協力者として再整備事業計画の策定までを担っていた野村不動産グループ(清水建設、住友商事、東急不動産、ヒューリック)は、オブザーバーとして会議に参加する。区の担当者は、「いまは無償で協力いただいている。16年9月に契約ではなく協定を結んでいるが、業務内容は(策定済みの)再整備事業計画の策定まで、ということになっている」と説明し、実際に再整備が決まった場合は、事業者を改めて公募する考えを示した。