【記者座談会】設計等業務報酬基準改正は内容周知も/体験型展示会「夏のリコチャレ2018」 | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【記者座談会】設計等業務報酬基準改正は内容周知も/体験型展示会「夏のリコチャレ2018」

A 建築設計・工事監理等業務報酬基準(告示15号)の改正案が中央建築士審査会で了承されたね。
B 改正案ではアンケートによって、全国約700事務所から回答のあった約6000プロジェクトを基にして業務量を算出した。略算表の業務量を一新するとともに、これまで対象だった500―2万㎡の範囲外についても、統計処理ができた範囲で拡大するという。
C 業務量に関していえば、基本設計と実施設計・意図伝達の比率を提示する。現行では、1者の設計者が一貫して実施する前提で定めているが、実態を見れば異なる者が実施するケースも多い。基本設計時の業務量が増大していることを踏まえて、それぞれの標準業務を定めた上で、業務量の比率を目安として示した。工事監理についても「工事監理に関する標準業務」と「その他の標準業務」を整理している。
D 標準業務・標準外業務は、現行基準であいまいとなっている業務の内容・領域を明確にしている。標準外の業務を告示でリスト化し、告示改正とあわせて作成する技術的助言やガイドラインで詳細な内容を示すことになる。
A 告示を改正することによって実態に即した報酬基準になるのだろうか。
B 業務量に関しては、調査結果を統計的に処理しているため、実勢を反映した数値になっていると言える。標準外業務についても、告示などで根拠を示すことで、適切に報酬を得られるようになるのではないかな。
C 業務報酬基準は設計事務所などが契約の際に活用するだけでなく、施主が予算を検討する際にも参考にしていると聞く。改正内容を広く周知していくことも必要になるだろう。

出展者の説明に工夫満載 進路選択の材料に

A 日刊建設通信新聞社と日本大理工学部が主催した体験型展示会「夏のリコチャレ2018」が、日常生活に建設産業界がどのように貢献しているかをテーマに、東京都千代田区の日大理工学部駿河台校舎で8月9日に開いたね。
E 今回はトークセッションなどを通して、災害に立ち向かう業界の大切な役割も紹介したよ。当日は、国の機関や東京都、企業など31者が出展し、学生ら約250人が参加した。小学生から大人まで、幅広い年代の人が訪れてくれた。

サンコーコンサルタントの体験ブース。参加者はVRを使って、普段馴染みの少ない設計や調査業務を楽しく体験できた


A 来場者や出展者からどんな感想が寄せられていたのかな。
F 参加者からは「自由研究の参考になった」「学校では学べないことがたくさんあった」「(出展者は)自らの職業に誇りを持っていると感じた」という感想があった。多種多様な説明と展示があったことから「興味がつきない」といううれしい声もあった。
E 出展者からは、相手の理解度に合わせた展示や説明内容を工夫することで、自分たちにも勉強になったという前向きな意見を聞いた。参加者についても、意欲的に関心を持って説明を聞いてくれていると感じる人が多かったようだ。
A 運営面で来年に向けた課題は。
F 参加者と出展者の双方に、参加する意義をより感じてもらえるようなイベントにしていきたい。「『進路選択に役立つ!』というようなコンセプトは、子どもたちの興味を引けるのでは」という貴重なアドバイスもあった。
A リコチャレ(理工チャレンジ)は、内閣府の男女共同参画局が中心となって、女性の理工系進学を後押しする取り組みだ。職場や工事現場の見学会などリコチャレの取り組みがより広がるといいね。

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