前田建設は21日、堺市の日立造船堺工場で、同社が特許を取得している円形外殻工法「CS-SC工法」の3大コア技術の1つ「円周シールド工法」の実証試験を公開した。実機の6分の1スケールとなる円周シールド試験装置を稼働し、推進時の方向制御を検証、垂直方向の推進で適切に稼働していることを確認した。2019年1-2月にも試験を終える予定だ。
その際、土水圧を受けている前胴が後退しないように元押しジャッキ(伸び)とスライドジャッキ(縮み)を同調させることで、マシンの方向を制御し、図面どおりの掘進が可能となる。
同社では東京外かく環状道路で想定されているシールド機(12×6m)を模擬した装置(2×1m)を製作し、10月から試験を実施していた。当日の試験でも各ジャッキの油圧やストロークを確認しながら、問題なく稼働していることを確認した。
円周シールド工法は、同道路の地下拡幅工事の発進基地施工で標準工法として選定されている。3つのコア技術のうち、「セグメントフリーズ工法」と「セグメント切削シールド工法」の2工法は実証が済んでおり、今回の試験が終了すると、CS-SC工法の同道路への導入可能な技術として大きく前進する。