建設コンサルタンツ協会(村田和夫会長)は、第10回「建コンフォト大賞」の入賞作品を決めた。最優秀賞は、明治から平成まで鉄道トンネルとして使用され、現在は遊歩道となっている大日影トンネルを撮影した岡本芳隆氏の『歴史の面影を感じて』(撮影地・山梨県甲州市)を選定した。審査委員長の宇於崎勝也日大教授は「最奥の光差し込む出口までの距離感がたっぷり味わえる。手前には往事をしのばせる古びたレールやスポットライトに照らされた待避所が鮮やかで引き込まれるような魅力を感じる」と講評している。
第10回となる今回も、「あなたのお気に入りの“土木施設”」をテーマに、日常の生活を支える土木施設のある風景の写真を募集。全国45の都道府県から328点の応募があった。10代が約2割を占めるなど年齢層も幅広く、宇於崎委員長は「単なる土木施設の写真ではなく、作品内に動きやストーリーを感じさせる、味わい深く、感動をもたらす場面を切り取った応募作品が増えてきたように思う」とコメントしている。
優秀賞は、栗原正隆氏の『交差点模様』(撮影地・大津市)と松元澄夫氏の『晩秋の煌(きら)めき』(同・北海道上士幌町)の2作品が輝いた。このほか、特別賞に10作品、10回を記念した日刊建設通信新聞社など協賛企業による特別賞も6作品を選定した。日刊建設通信新聞社特別賞には、3本の交差する道路を1本の橋脚で支える、インフラの下支え役を表徴するような長谷川敏則氏の『大黒柱』(同・名古屋市)が選ばれた。
5月23日に開く協会総会で表彰する。