【各地でVRイベント・サービス開催!】GWは復興の歩みや地球の神秘を「体験」してみては? | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

公式ブログ

【各地でVRイベント・サービス開催!】GWは復興の歩みや地球の神秘を「体験」してみては?

 新天皇陛下の即位と改元に伴いゴールデンウィークが10日間の連休となる中、VR(仮想現実)を使って街の歴史や土地の成り立ちを体験できるイベントやサービスが各地で実施される。KDDIと神戸市は、阪神・淡路大震災の復興を体験できるVRを市が開催するイベントで披露する。熊本県と阿蘇火山博物館久木文化財団、NECは同博物館で阿蘇ジオパークを体験できるサービスを始めた。
 神戸市では、震災から25年が経過し、震災を経験していない若い世代が増えているほか、市が多数保有している震災当時の資料を十分活用できていないといった課題を抱えていた。そこで、震災の風化を防ぎ、防災意識を若い世代に引き継ぐため、保有していた写真・映像を使った新しい防災教育ツールとして、VRコンテンツ「あなたが伝える阪神・淡路大震災-復興VR」をKDDIと共同で開発した。

復興後の神戸市のメリケンパーク

 震災前後と震災発生時の写真、動画素材を360度に配置した高精細映像のVRで、視点を上下左右、後方に動かし、実際にその場にいるように震災から復興の過程と、被災地点の現在の様子を体験できる。震災の教訓を継承するメッセージを届ける。
 市が開催するイベント「078」で、28日と29日に参加者向けにVRコンテンツの視聴体験を実施する。
 熊本県では、2016年の熊本地震や阿蘇山噴火の影響で落ち込んだ観光や教育旅行を呼び戻すため、地震や噴火などの地形や地質の自然資源と、そこで育まれた歴史・文化・暮らしを体験できるコンテンツの整備に取り組んでいる。3月からは、阿蘇火山博物館とNECが共同で、特徴的な阿蘇の自然をリアルに感じられる「阿蘇山上火口VR体験サービス」を同博物館で始めた。

阿蘇ジオパークの米塚

 今回、新たに阿蘇ジオパークをリアルに体験できるVR体験サービスを追加。約3万年前に形成された火口跡で、広く浅い草原が広がり、毎年2月ころには野焼きが行われる草千里ヶ浜を体験できる。また、約3000年前に形成された阿蘇で最も新しい火山であり、中岳火口にある青緑色の湯だまりが有名な米塚もコンテンツに収めた。数十万年にわたる阿蘇の火山活動でつくり出された景観を味わいながら、地球科学や阿蘇地域学を体感できる。
 今後も、夏に「冬の野焼き」や昼に「夜の阿蘇」が楽しめるサービスを順次、検討するほか、将来的には「火口内疑似探検」や「火口上空空中散歩」といったコンテンツも提供する予定だ。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら